- 会社の破産・清算について知る -

メリット・デメリット

会社の破産・清算をするということはどういうことなのでしょうか。
会社がどうなるのか、個人としてどうなるのか、何かを失ってしまうのか、すべてを失ってしまうのか、何かを守ることができないのか。
経営者、社長個人及び債権者(銀行等)のお互いの立場に立って考えてみましょう。
会社の破産・清算手続きのメリット・デメリットはどんなものでしょうか。

法人の破産手続きを行うメリット・デメリット

会社の破産・清算とは
会社は、個人事業主であれ法人であれ、その事業主体としての人格を持っています。法人であれば、法律により人と同じように権利義務を持つことが出来る主体となることが出来ます。法律により人と同じように主体となりえた状態を解消する、人で言うと死亡するようなものです。
法律によって人になったものですから法律によって清算(死亡)させることになります。
メリット
会社を死亡させるものですから、そもそもメリットというのもおかしいのかもしれません。そもそも、事業が成り立たなくなったのであれば、そのまま放置しておけばいいのではということもありえなくはないです。つまり、時間と費用をかけて、破産清算手続きをする必要がない場合、そもそも費用がないために破産清算手続きが出来ないという場合があります。
しかし、一定期間事業活動を行っていると会社に資産が残ります。資産には、借金だけでなく、現金、価値のある動産(車、機械など)、不動産、有価証券などがあります。これら会社の資産を法律に基づいて清算する手続きなのです。
破産清算手続きをとらなければ、すべて債権者から定期的に請求を受けるでしょうし、債権者が多ければ対応も大変です。また、混乱状態を長く続けることは、会社としてだでなく、個人としての信用を落とし、回復不可能な状況になってしまいます。
また、破産・清算手続きを踏まずに、混乱を解消するとなると、10年単位の期間が必要です。10年間、まっとうな事業活動が阻害されてしまいます。
そのような状態を早期に回復し、再出発をする機会を得ることが会社の破産・清算手続きをするメリットです。
デメリット
会社の資産を清算する手続きですから、会社名義のプラスの財産は換価され債権者へ配当されます。また、会社を死亡させる手続きですから、役員・従業員としての地位もなくなります。
もっとも、大きな影響は、これまで必死に作り上げてきた信用がなくなることではないでしょうか。そうはいっても、破産・清算手続きをすることなく、事業を再生できればもちろんもっとも良いことではありますが、破産・清算手続きを検討する状況にある会社さんは、再生のために資金調達して出来なかった、再生計画が認められなかった状況かと思いますので、適正な破産・清算手続きをしないことは、さらに信用を失ってしまうことになります。
債務を全て清算でき、資金繰りに追われる日々からは解放されますが、失うものも大きいですが、手続きを躊躇し、本来できたであろう公平な清算ができなくなるのは、さらなる混乱を生み、必要以上に失うものがあるということを心に留めておきましょう。
メリット
  1. 1会社の債務(借金・負債)がなくなる
  2. 2返済・取立・資金繰りに追われない
  3. 3再出発できる
デメリット
  1. 1会社が消滅する
  2. 2個人の資産も失うことがある
  3. 3新たに借入ができなくなることがある

債権者の損害(負担)

破産清算手続きをする場合、借金を完済できることは少ないと思いますから、債権者には経済的な損失を与えることになります。さらに、放置となるとさらに大きな迷惑になります。会社が、破産清算手続きを行わないままだと、債権者は損金処理することが困難、または面倒となります。回収可能性がないことを分かった上で、訴訟等、費用や手間をかけないといけなくなります。
債権者のためというよりも、ご自身の再出発を考えると、債務超過となり継続的に利払いすら困難な状態となり、事業再建の可能性が相当程度低くなった時点で、破産清算手続きをすることが大切です。
債権者の手間や様々な費用を抑えるという意味もありますが、誠意を思って対応することで、今後の再出発を気持ちよくより良いものにしましょう。

会社が倒産すると、会社役員(経営者)はどうなるの?

一般的に、会社の借金に対して、主に創業者社長、その親類などの二代目社長を中心に、役員が個人的に保証人になっています。したがって、会社が破産すると、債権者から役員に請求が及ぶことになります。そのため、一般的には、会社の破産清算手続きと同時に役員も自己破産手続きをとることが多いです。
また、ニュースになる事案、刑事罰に問われる事案、破産法違反、出資法違反など、最近では、「はれのひ」、「ケフィア」などがこういった破産の原因によって、会社の責任だけでなく、取締役の責任が追求されました。当事務所の弁護士にご相談頂き、依頼いただくことで、そういったリスクに対しても対処いたします。

ページ上部へ
CLOSE