- 会社の破産・清算について知る -

破産の前にやってはいけないこと

破産手続きを検討していると、分からないことや不安でいっぱいになっているのではないでしょうか。破産をした後、自分や家族の生活を考えると、食べていけるのかと心配が大きくなり、少しでも手元に現金を残したいという気持ちが出てくるものです。それは当然ではないかと思います。ただし、あれこれと一人で考え込んでしまったり、法律に詳しくない方に相談したりするうちに、次のような「やってはいけないこと」を実行してしまうと、時間を戻すことが出来ないですから、さらなる大きな後悔をしてしまう事になります。

取り立てが厳しい人、仲の良い人にだけ返済する(偏頗弁済-へんぱべんさい)

厳しい取り立てをしてくる債権者に対してだけ返済してしまう、特にお世話になった取引先だけに返済する、仲の良い友達にだけ返済する、ある特定の債権者にだけ返済することは、「債権者平等の原則」に反するため認められません。これを偏波弁済といいます。
裁判所から選任された破産管財人は破産申立て前のお金の流れを整理して、不公正がないかを確認します。そのため、内緒でやったとしても、どこか帳簿に表れてくる以上見つかる可能性が高いです。偏頗返済の事実がわかると、返済を受けた債権者が破産管財人から返済されたお金を返すよう請求することになり、さらに迷惑をかけるだけでなく、他の債権者を含めて迷惑をかけ、代表者個人の破産について、免責が認められなくなったりする可能性があります。

会社の財産を隠す

破産の手続きをする前に、破産後の生活の為に等の理由で、会社の財産を隠すことです。破産法違反で逮捕されてしまうこともあり、時折、ニュースで報道されるのを見かけます。何か別の名目を付けて払ったことにしている、不当に廉価で不動産を売却して、適正額のバックを受ける、会計帳簿を隠すといったことです。

会社の財産を安価で処分する

破産をするということは、会社の財産をお金に換えて、債権者に分配するという手続きです。したがって、会社の財産不当に廉価で処分することは認められません。ただ、廉価で売却することにメリットはないですから、財産隠しに繋がることが多く、刑事罰にもなり兼ねません。

破産の予定を周囲に漏らす

破産の予定を周囲に漏らすことそのものが、違法であるとか、破産手続きに支障をきたすということではありません。
あそこが破産するらしいでという情報は、物凄いスピードで広がります。そのような情報を入手した債権者が強引な督促をしたり、だまって工場から物をもっていくなどすることもあります。また、破産申立てまでは事業を継続し、その売上を必要とする計画を練っていた場合は、破産することを知った債権者がそのまま取引をしてくれる可能性は低く、その計画がおじゃんになってしまいます。ご自身の身を守るためにも、破産の予定は弁護士以外に話さないようにしてください。

資金が底を突くまで事業を継続する(放置する)

破産手続きをするためには、裁判所に支払うためと弁護士費用でまとまったお金が必要です。まったくキャッシュが無くなってしまうと、破産手続きそのものはできなくなります。また、ご自身の生活をどうするかということについても、大きな問題となります。
早めにご相談頂き、計画を練って準備することで、手元にお金を残せる可能性も出てきます。

弁護士にウソをつく

ご依頼者の利益を最優先にしつつ適法な手続きをするのが我々の仕事です。そのためには、少しでも多くの正確な情報が必要不可欠です。途中でウソの報告があった場合は、手続き、計画が大きく狂ってしまいかねず、依頼者様にとっても大きな痛手となります。我々は依頼者の味方ですから、我々を信頼していただき、ウソの報告は絶対にしないでください。

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