1 外国人を退職させるには

日本の労働法では、従業員を退職させることは必ずしも容易ではありません。会社側によって雇用契約を解約する解雇を行うには、厳しい要件を満たし、かつ、適正な手続に従って行う必要があります。 

このため、会社側が従業員を退職させたいと考えた場合、まずは退職勧奨を行うことが一般的です。こちらは一方的な解約を告知するのではなく、従業員に対して自己の意思で会社を辞めるように勧めることをいいます。退職勧奨であれば、解雇のような要件や手続は不用となりますが、あまりにも執拗なものなどは違法となる場合がありますので注意は必要です。

解雇の場合も退職勧奨の場合も、外国人従業員に対しては、十分に理解を求めるなど、日本人従業員以上に慎重に手続を進めることが望ましいといえます。

また、就労系の在留資格で滞在する外国人従業員の場合、退職をすると、新たな勤務先を見つけなければ在留資格を取り消される場合がありますので、会社側としてはそのことも念頭に置いておくことが望まれます。

2 特定技能の外国人を雇用し、または雇用を検討している場合

特定技能の外国人を雇用し、または雇用を検討している場合は、日本人従業員・外国人従業員問わず安易な退職勧奨は禁物です。

というのも、特定技能の外国人を受入れるには、特定技能の外国人との雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に、その外国人が従事する予定の業務と同種の業務に関して、非自発的離職者を発生させていないことを条件としているからです(特定技能基準省令2条2項)。そして、人員整理を行うための希望退職の募集の場合や退職勧奨を行った場合は、この非自発的離職者に該当するとされています(ただし、天候不順や自然災害の発生によりやむを得ず解雇する場合は除く。)。

したがって、特定技能の外国人の雇用を検討している場合や既に雇用している場合は、少なくとも同種の業務に関して、日本人従業員・外国人従業員問わず、退職勧奨を行うことは避ける必要があります。

このように外国人従業員を退職させる場合には、注意が必要ですので、まずはお気軽に弁護士にご相談ください。

   
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