技能実習の現状と令和6年法改正

技能実習制度は開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とする制度で、1993年の制度化以来、受入れている技能実習生の人数は増加の一途をたどっており、現在も多数の技能実習生が日本各地で雇用されています。
もっとも、技能実習生の一部が劣悪な環境下で酷使されているといわれ、大きな社会問題となっています。2017年には技能実習法が施行されて法規制が強化されましたが、一部の企業において法令が十分に遵守されておらず、大企業も含めて技能実習計画の認定取消しが相次いでなされています。

このような経緯をもふまえ、令和6年6月に技能実習法が改正され、技能実習制度が廃止されるとともに、これに代わって育成就労制度が創設されることになりました。

もっとも、この改正法は令和9年6月までには施行されることになっていますが、それまで若干の時間がありますし、施行後も移行措置がありますから、現在の技能実習制度はしばらくの間存続します。この間に技能実習生の受入れを開始することも可能ですし、将来の育成就労生の受入れをスムーズに行う上でも有効となり得ます。

技能実習生を受け入れを検討されている方は、このような改正法の動向もふまえた上で、技能実習法や改正法の法規制を理解し遵守することが求められます。

技能実習生の受入れのために企業は何をすべきか

技能実習には2種類あり、企業が自ら技能実習生を受け入れる企業単独型と、監理団を介して技能実習生を受け入れる団体監理型があります。企業単独型は、海外に子会社を持っていたり、海外の会社と一定の取引を行っている企業であって、自前で運用できる企業において可能となります。

これに該当しない企業では団体監理型を採用することになります。現在、技能実習の圧倒的多数がこの団体監理型です。新たに受入れを開始する場合は団体監理型による場合が多いと思います。

団体監理型の場合、監理団体が受入企業をサポートする仕組みになっています。新規で技能実習生を受け入れる場合、いろいろと監理団体に教えてもらいながら、手取り足取りで手続を進めることが多いと思います。技能実習生の受け入れや運用について監理団体に任せっきりにすればよいと思うかもしれませんし、実際にそのようにしている受入れ企業も多いと思います。

しかし、監理団体に任せっきりでは十分ではありません。優れた監理団体も多く存在していますが、中には法令を十分に遵守していないなど、問題のある監理団体も存在しており、そのような監理団体から技能実習生を受け入れてその後も任せっきりというのは非常に危険です。

また、団体監理型であっても、技能実習生を受け入れて雇用するのはあくまで企業であり、法令違反があれば処分を受けるのも企業です。ですから、企業自身が技能実習法を理解して遵守する必要がありますし、それだけでなく、労働関係法、税法、社会保険法等の法令を遵守しなければなりません。

技能実習生を受け入れる企業においては、コンプライアンス体制をしっかりと確立する必要があります。これは、新たに導入される育成就労制度においてはなお一層要求されます。

弁護士法人キャストグローバルのサポート

弁護士法人キャストグローバルでは、技能実習生の受け入れにあたり、監理団体選び、監理団体との契約締結や技能実習生との雇用契約の締結に至る各種の法律上のチェックやアドバイス行います。コンプライアンス体制の確立や、労務管理の体制整備についてもサポートします。
雇用開始後の運営・管理、労務管理についても、定期的なチェック等を通じてサポートします。万が一、何らかのトラブルが発生した際にも早期に適切な解決を図れるようサポートします。

サポートプログラム

外国人の活用のみならず、御社の人事戦略全体のヒアリングを行い、技能実習生の雇用がその人事戦略にマッチするのか、アドバイスいたします。
場合によっては他の在留資格の外国人を受け入れる方が望ましい場合もあります。

技能実習生を受け入れるとの方針を固めた後、御社の社内規程やコンプライアンス体制等を精査し、御社の受入体制が法令上の条件を満たしているかチェックいたします。
万が一適合しない点がある場合は、規程の修正等のアドバイスをいたします。

技能実習計画の認定その他技能実習生の受け入れ準備に関してサポートいたします。

技能実習生を受け入れて適法かつ適正に就労させるには、人事総務担当者だけでなく、技能実習生の上司など多くの役職員に技能実習の枠組みについて基本的な理解をしてもらう必要が生じます。日々の業務遂行においても、様々な注意点があります。
そこで、受け入れが始まる段階で御社の役職員向けに社内研修を行うのが望ましく、その研修を実施します。

技能実習生をを受け入れた後も、継続的に法令に違反しないようにし活用しなければなりません。万が一法令違反が生じた場合は処分を受ける可能性もありますし、新規の受け入れが困難になったりする場合があります。

そのような事態が生じないよう、一定期間ごとに適法性のチェック・監査を行います。

文化の違いなどの理由から、外国人従業員との間で様々な労務トラブルが発生する場合があります。我々はこれらに対応するのみならず、日本人も含めた従業員全体について、日々の労務トラブルに対応いたします。特に技能実習生の場合、日本人の従業員との労務トラブルの問題が行政処分等に発展してしまう場合がありますから、外国人を活用する企業は日本人も含めた従業員全体の労務トラブルに適切に対処する必要があります。
その他、労働基準監督署に立ち入られた場合や、役員や法人が刑事事件の捜査対象となった場合も、外国人労働者に受け入れ等に影響する可能性があります。このようなトラブルが発生した場合にも、影響が最小限にとどまるようサポートいたします。

   
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