求人・採用・外国人雇用

一覧に戻る

ホーム 採用・雇用・解雇 外国人採用・雇用 – 求人・採用・外国人雇用

外国人採用・雇用

外国人を採用・雇用する場合の手続と注意点

平成30年に出入国管理法が改正され、外国人労働者の受け入れが進むこととなりました。外国人労働者は、接客業や土木建築業、エンジニアなどの職種で特に重宝されており、多くの企業が採用を進めています。厚生労働省の発表によると平成30年10月末の外国人就労者は146万463人と、過去最高を記録しました。そこで今回は、外国人を採用・雇用する場合の手続と注意点を解説します。

日本で働くことができる外国人とは

日本では、すべての外国人労働者が働ける訳ではありません。以下の在留資格を有する外国人が、就労することができます。

  • ●教授
  • ●芸術
  • ●宗教
  • ●報道
  • ●高度専門職1号、2号
  • ●経営・管理
  • ●法律・会計業務
  • ●医療
  • ●研究
  • ●教育
  • ●技術・人文知識、国際業務
  • ●企業内転勤
  • ●介護
  • ●興業
  • ●技能
  • ●特定技能1号、2号
  • ●技能実習1号、2号、3号
  • ●特定活動(ワーキングホリデーやEPAに基づく外国人看護師)
  • ●留学生、家族滞在(原則として就労は認められていませんが、資格外活動許可があれば就労可能)
  • ●永住者や定住者、日本人・永住者の配偶者等

外国人を雇用する場合は、これらの在留資格を有していること、そして「在留期間」が過ぎていないことを確認しなければなりません。在留資格によって就労できる仕事は限られています。例えば「教授」という在留資格であれば、大学教授等の業務につくことができますが、それ以外の業務の遂行は認められません。
それぞれの在留資格やその個人によって在留期間が異なります。例えば「医療」であれば、5年、3年、1年又は3か月となっています。
また、それ以外に「就労制限の有無」、「資格外活動許可の有無等」についても確認が必要となります。

外国人を雇用する場合の手続

外国人を雇用する場合、日本人とは異なる手続が必要です。以下の流れに従って、手続を進めましょう。

在留資格の確認

外国人を雇用する場合、非常に重要なのが在留資格の確認です。在留資格は外国人が保有している「在留カード」で確認できます。在留資格と、就労予定の業務が合致していること、そして在留期間が切れていないかどうかも確認します。在留資格と異なる業務に就かせる場合は、在留資格の変更をしなければなりません。

在留資格が合致しない場合は在留資格の変更を申請

すでに日本で就労していて在留資格を持っている外国人であっても、在留資格と異なる業務に就く場合は在留資格を変更します。「在留資格変更許可申請書」と証明写真や職歴や学歴を証明する書類、在留カードやパスポートなど様々な書類が必要です。

労働条件通知書の交付、雇用契約書の取り交わし

採用するにあたっては、企業は、雇用契約の内容となる賃金や労働時間等の労働条件について、書面にして交付しなければなりません。労働条件通知書の内容等を説明し、双方が合意した上で、雇用契約書に双方が署名捺印します。日本語の読み書きができる外国人も、そうでない外国人も、本人がしっかりと理解できるように母国語や英語などで雇用契約書を作成するようにしましょう。

ハローワークに「外国人雇用届出書」を提出する

外国人を雇用した場合は、ハローワークに「外国人雇用状況届出書」を提出します。外国人雇用届出書には、外国人従業員の氏名や在留資格、在留期間、国籍などを記載します。

外国人の受け入れ準備

外国人を雇用するためには、ハード面、ソフト面での受け入れ準備が必要です。これらの状況を総合的に考慮すると、就業規則の作成は、弁護士・社会保険労務士等の労務問題の専門家に依頼すべきです。就業規則は一度作成したら終わりではなく、企業とともに成長していくものだと考えて様々な可能性を見据えた上で、作成しておきましょう。

就業規則などの社内文書の外国語対応

日本語は理解が難しい言語ですので、日本語学習途上の外国人や日本語の読み書きができない従業員に対しては、日本語文書で就業規則や重要なルールなどを提示することは適当ではありません。法律に違反するものではありませんが、外国人労働者が理解できる方法によりルールの徹底をはかり、社内秩序を乱さないようにする必要があります。

安全衛生教育の実施

国籍を問わず、従業員に対しては安全衛生教育を行う必要があります。外国人は、慣習や常識が日本とは異なることもあるため、細やかな配慮が必要です。日本語の理解が難しい外国人従業員に対しては、外国語での説明やイラストを多用した説明などで、理解を深めるように努めなければなりません。

外国人労働者・雇用労務責任者の選任

常に10人以上の外国人労働者を雇用する場合は「外国人労働者の雇用労務責任者」を選任する必要があります。人事、労務担当者が適任でしょう。

外国人労働者を雇用する場合の注意点

外国人労働者を雇用する場合は以下の点に注意する必要があります。

賃金や労働時間等を区別しない

国籍によって、賃金や労働時間を区別することは認められません。同じ労働を行うのであれば日本人も外国人も同一の賃金を支払う必要があります。外国人だけに長時間労働を強いることがないようにご注意ください。

労働条件を書面で明示すること

労働条件の通知は書面で通知しなければなりません。外国人が理解できるように、外国語で作成するなどの工夫が必要です。

外国人労働者の労働時間は適切に管理する

当然ですが、外国人労働者だからと言って、法定労働時間を超えた労働を強制することはできません。超過勤務があった場合は、超過勤務手当を支給する必要があります。適切に労働時間を管理して、超過勤務手当を確実に支給するために、タイムカードなどで労働時間を管理しましょう。

労働災害防止に関する掲示や標識を理解できるようにすること

日本語の理解が難しい外国人従業員でも、労働災害防止のための掲示や標識が理解できるようにします。日本語だけでなく英語での表示を行う、わかりやすいイラストを導入するなどの対策が有効です。イラストでの表示は、日本人従業員にとっても、有効な対策ですので、積極的に取り入れましょう。

失業手当の給付等の手続きをサポートすること

外国人従業員が退職する場合は、失業手当の給付申請を希望する場合は、その手続をサポートしましょう。外国人従業員も一定の条件を満たせば、雇用保険に加入しなければなりません。また、労働災害が発生した場合は、労災保険給付の手続についても案内して、代行するなどできる限り援助しましょう。

外国人採用・雇用のまとめ

外国人労働者を雇用するためには、在留資格の取得や確認、外国語での雇用契約書の作成、就業規則や社内環境の整備など、非常に煩雑な手続が求められます。外国人従業員を雇用する際の手続を誤ると、企業側が罰を科されるおそれがありますので、1つずつ適切に手続きを進めましょう。自社内での対応が難しい場合は、企業法務を専門とする弁護士や、人事労務の専門家である社会保険労務士にご相談ください。在留資格の確認や申請などの手間がかかる手続を全面的にサポートいたします。

ページ上部へ
CLOSE