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求人・採用

求人広告の掲載やエージェントへの依頼などの採用活動は、時に非常に多くのコストがかかります。しかし、コストをかけたからといってトラブルなく採用活動が行えるわけではありません。「提示されていた条件と違った」、「勤務場所が募集時に提示されている場所ではなかった」などのトラブルは頻発します。 また採用活動中に、採用担当者による就活生へのハラスメント行為が問題になることもあります。厚生労働省の発表によると平成30年内に、労働局に相談された「募集・採用」に関する相談は2737件でした。そこで、今回は求人や採用で起きやすいトラブルとその解決方法を解説します。

求人・採用で起きやすいトラブル例

まずは求人や採用で頻発するトラブル例を解説します。

「求人票の条件と違う」と労働問題に発展

賃金や労働時間等に双方の認識に相違があった場合、入社後に労働トラブルに発展する可能性があります。求人票に虚偽の記載を提示して、募集すると場合によっては罰が科されるおそれもあるのです。

勤務形態の相違に関するトラブル

会社側は嘱託社員や有期雇用社員だと想定していたのに、本人は正社員のつもりだったと思い入社したというケースもあります。非正規社員と正社員では待遇が異なりますので、そのまま働き続けることを拒否し退職を申し出られる、もしくは正社員への登用を求めるなどのトラブルに発展します。

採用活動中に従業員がセクハラ行為をはたらいた

採用活動中に、就活生や求職者に対して採用担当者がセクハラ行為をはたらいたことが、大きな問題となりました。肉体関係を強要とする行為はもちろんのこと、恋人の有無などを面接で質問することや個人的に連絡を取ることもセクハラと受け取られる可能性があります。

学歴や経歴を偽った従業員を採用した

従業員が、故意に学歴や経歴を偽り、会社側もそれを見抜けずに採用してしまうというトラブルもあります。「4年制大学卒業」や「経験者」などを採用条件にしていたのに、学歴が条件に合致しない方や、未経験者が「経験あり」などと経歴を偽っていた場合です。

「こんなはずじゃなかった」、入社数日で退職

就職市場は、求職者に有利な状況が続いています。人手不足や後継者不足が原因で倒産を選択せざるを得ない企業も、少なからず存在するほどです。多くの求人があふれている状態ですので、新入社員は「想像していたのと違う」、「きちんと教えてもらえなかった」などの理由で簡単に辞めようとします。こういった採用のアンマッチは、企業側にとっては大きなロスになります。労働者の退職したいという意思は企業側が拒むことはできません。

求人・採用トラブルが発生した場合の対処法

求人や採用に関するトラブルが発生した場合は、問題を後回しにせずすぐさま適切な対応をとる必要があります。

求人票をめぐる採用トラブルが発生した場合

求人票と実際の勤務形態や、条件、勤務地が異なることでトラブルが発生した場合は、従業員との話し合いが必要です。「求人票と、実際の勤務条件が異なる場合、当事者同士が異なる条件に合意した場合を除き、求人票に記載された条件が勤務条件になる」という趣旨の、判決が言い渡された事例もありますので、企業側にとっては不利な状態となります。
ただし、変更されている条件や変更された理由を十分説明し、書面で合意することができれば、求人票の勤務条件や待遇が適用されないこととなります。

従業員に事情を説明した上で、労働条件の変更について理解してもらえるように努めましょう。この話し合いは、法的知識だけでなく交渉力が求められますので、企業法務専門の弁護士に相談することをご検討ください。

採用担当者のセクハラ行為が発覚した場合

採用担当者が求職者や就活生に対して、セクハラ行為をはたらいていた場合は、双方に事情を聞いた上で適切な処置をとらなければなりません。セクハラ行為が事実であり、求職者や就活生が損害賠償請求を検討しているのであれば、示談交渉に着手して慰謝料等の支払いを検討する必要があります。示談を成立させることができず、刑事告訴や慰謝料請求訴訟などをなされてしまうと、企業イメージに甚大な悪影響を与えてしまいます。

学歴や、経験を偽った従業員を採用した場合

学歴や経験を偽った従業員を採用した場合は、その悪質度や業務に与える影響などによっては解雇が可能な場合もありますが、一度採用した従業員を解雇することは労働基準法や労働契約法で厳しく制限されていますので、慎重な手続が必要です。その経歴詐称による解雇処分が社会的通念上、相当であるかどうかを慎重に判断する必要があります。

「こんなはずじゃなかった」と退職意思を告げられた場合

せっかく採用した社員が早期で退職してしまうことは避けたいものですが、労働者は自由に退職することができますので、拒否することはできません。労働者からは退職の2週間前に退職の意思を通知すればよいということになっていますので、適正な期間を経過した後に退職するのであれば問題ありません。しかし、会社としては、社員の退職は損失となりますので、避けたいものです。退職を拒否することはできませんが、話し合いで不安や不満を解消できれば、退職を回避できる可能性もあります。

求人や採用に関するトラブルを回避する方法

では、求人や採用に関するトラブルを回避するためには、どのような手立てを講じておけばよいのでしょうか。求人、採用トラブルを回避するための具体的な方法を解説します。

求人票は正確に作成する

採用後に、求人票と実際の待遇が異なるとトラブルが発生する可能性が非常に高いため、必ず求人票には正しい情報を記載しましょう。給与は、実績給与・賞与を記載する場合や、募集時点では確定的ではない場合には、見込額であることを明示した上で給与額を記載することもあります。勤務地や交代勤務の有無、雇用形態なども正確に記載しておきましょう。

採用時に労働条件通知書を交付する、雇用契約書を取り交わす

採用が決定したら、労働条件通知書を交付しましょう。求人票と実際の勤務条件等が異なる場合でも、労働条件通知書を渡した上で、労働条件に書面により合意してもらえれば後のトラブルを回避できます。求人時よりも従業員に不利益な条件で雇用する場合は、きちんと変更された条件や変更された理由を説明したうえで、雇用契約書を締結することが望ましいです。後にトラブルになった場合に、従業員の署名捺印があることで同意を得ていたと主張しやすくなります。労働条件通知書には以下の項目を必ず記載します。

  • 労働契約期間
  • 有期労働契約の場合は、契約を更新する場合の条件
  • 就業の場所
  • 従事する業務の内容
  • 超過勤務の有無
  • 休憩時間
  • 休日、休暇
  • 交替制勤務のある場合は、就業時点間に関する事項有無
  • 賃金の決定、計算、支払いの方法
  • 賃金の締め日、支払時期
  • 昇給に関する事項

採用活動でのセクハラを防止するためには社員教育を

採用担当者による、求職者や就活生へのセクハラ行為を防止するために重要なのは、採用に関するセクハラに特化した社員教育を実施することです。また、求職者等の連絡先を個人的に入手することを禁止する、連絡を取り合うことを禁止するなどのルールも規定しておくとよいでしょう。

求人・採用のまとめ

求人や採用に関するトラブルは、多岐にわたります。企業側に落ち度があるもの、求職者や従業員に落ち度があるもの、など様々です。これらのトラブルが発生した場合は、適切に対応するとともに、トラブルが発生しないための対策を講じることが重要です。

求人や採用のトラブルを回避するためには、求人票の適正な作成や、雇用契約書、労働条件通知書の交付、雇用契約書の締結などが有効な対策です。求人や採用のトラブルが起きた場合、今後のトラブルの発生を予防したい場合は、企業法務を専門とする弁護士にご相談ください。

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