販売提携契約書

準拠する法律
民法
  • 契約書の内容によってはその他必要書類があります。

販売提携契約書について

「販売提携」は事業の発展・拡大に有効な手段であり、ビジネスの世界では頻繁にやり取りされています。しかし、独立した企業同士が手を組むことになるため、これまで以上にトラブルが発生しやすい環境となってしまいます。

これらのトラブルを防止、また被害を抑えるために欠かせないのが「販売提携契約書」です。こちらでは、当契約書の概要や作成ポイント、ひな形等について解説します。

アライアンス・提携・OEMに関する契約のための販売提携契約書のポイント

  1. 自社製品を自社の指定する金額で販売することを他社に委託する契約
  2. 販売目標やノルマを規定することもあります
  3. 利益・費用の配分について明確に定めることがポイント
アライアンス・提携・OEMに関する契約のための販売提携契約書の契約書

  1. 販売提携契約の効果を最大化するには、提携先との情報交換、販売促進の協力をすることが重要
  2. 受託者に対し競合品の取り扱いを禁止することも一案
  3. 委託者に損害が生じた場合の担保として、受託者に保証金の支払を求めることも一案

販売提携契約書とは

自社製品またはサービスの販売や提供、それに伴う営業等の業務を他社へ委託することを「販売提携」といい、契約時に取り交わされる書類を「販売提携契約書」と呼びます。

販売提携では、委託する側・される側双方に利点があります。例えば、営業や販売の分野に特化した他社を活用することで「販促経路をスピーディーに確保できる」「効率的に利益を得られる」等のメリットが得られ、委託される側も「販売やサービス提供等の業務によって報酬を得られる」「販売提携を通して、相手企業のノウハウを吸収できる」といったメリットが得られるのです。

しかしながら、独立した別の企業が共同で事業を進めることになるため、情報漏えいや商品の取り扱い等に関する様々なトラブルが想定されます。これらのトラブルを回避、また被害を拡大させないために「販売提携契約書」を取り交わし、お互いが守らねばならない義務や権利等を明確化するのです。

なお、販売提携においては当事者同士が協力関係にあるため、相手の立場を尊重しながら、双方が納得できるよう契約書の内容を協議する必要があります。

販売提携契約書に記載する主な事項

業務範囲について

自社製品の販売やサービス提供等に関わる業務において、どこまでを他社に委託するのか明記しておきましょう。曖昧なままだと業務範囲に対してズレが生じてしまい、目的達成が困難になってしまいます。

販売価格について

業務を委託する企業は、自社が希望する小売価格で販売するよう提携先に求めることができます。提携先が勝手に販売価格を下げ、利益を減少させることのないよう必ず明記しておきましょう。ただし、販売価格は市場の動向に合わせて都度変更することが好ましいです。一定の販売価格で固定するのではなく、定期的に当事者間で協議を行い、項目を追加していきましょう。

取り扱う商品について

販売提携を結ぶと、自社製品・サービス等を提携先が所有することとなります。正しく扱ってもらうためにも、引き受け方法や禁止事項等について定めておきましょう。また、提携先が他社に業務を委託する、自社製品・サービス等を勝手に利用させる等、第三者を介入させないよう、取り決めておくことも重要です。

販売提携手数料について

販売提携によって得られた利益のうち何%が、提携先の報酬になるのかを定めておきましょう。また、販売提携手数料を差し引いた額の送金方法についても明記する必要があります。

販売結果の報告義務について

「毎月30日までに販売した製品の数量および代金を、翌月10日までにメールにて報告する」といったように、販売結果の報告に関するルールを明記しておきましょう。実際に販売等の業務を行う企業の事情を考慮しながら、具体的な期間・送付方法を設定してください。

競業避止義務について

提携先が自社と類似している製品・サービスを扱ってしまうと、売上や需要が分散してしまいます。このような事態を回避するため、類似製品・サービスに関する事項を取り決めましょう。

ただし、特定の製品・サービスしか取り扱えないとなると、売り場としての魅力がなくなり、顧客が離れることもあります。ゆえに、「委託企業の許可さえ得ることができれば、類似製品・サービス取り扱いを可能とする」等、ルールの緩和を視野に入れることも重要です。

契約の有効期間について

販売提携の契約がいつまで有効なのか、契約は自動更新なのか等を定めましょう。同時に契約解除となる行為・事項についても話し合い、相手方に何かしらの不備があった場合には、直ちに契約を解除できる状態にしておくことが大切です。

販売提携契約書作成のポイント

秘密情報の取り扱いについて記載する

販売提携を結んでいる間は、顧客情報や自社のノウハウ等を相手へ開示することになります。それに伴って、情報漏えいやノウハウ・スキル盗用のリスクが高まるため、秘密情報の取り扱いについて必ず明記しておきましょう。なお、契約有効期間だけでなく、契約を解消した後も情報が保護されるような取り決めが必要です。

お互いが納得できる内容にする

販売提携においては、お互いに協力し合う姿勢が重要です。しかしながら、どちらか一方が自社の利益だけを優先してしまうと、「目的を達成できない」「効率的に利益をあげられない」等、悪い結果を生み出してしまいます。

そのため、販売提携契約書を作成する際は、必ず当事者間で協議を行い、お互いの要望を反映させつつ妥協点を探ることが重要です。書類作成が難航した場合は、販売提携の分野に強い弁護士へ相談するのも1つの手でしょう。

そして、書類作成後はリーガルチェックを行い、自社に不利な条件になっていないか、必要事項の見落としがないか等の確認作業が必須です。

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