技術提携契約書

技術提携契約書

【データについて】 Word

ダウンロード
準拠する法律
特許法、意匠法、実用新案法等
  • 契約書の内容によってはその他必要書類があります。

技術提携契約書について

契約する双方の技術について、貸与することを定める技術提携契約書。日本では、技術開発が盛んなこともあり、広く使用される契約です。技術提携契約書は、作成するにあたり明記しておいた方がよい点があります。下記では、技術提携契約書を作成するにあたり、気をつけるポイントを紹介します。最後には、サンプルひな形や弁護士サポートについても紹介します。

アライアンス・提携・OEMに関する契約のための技術提携契約書のポイント
  1. 技術提携契約では互いに分担する業務範囲や設備利用の有無を記載するべき
  2. 技術提携により得られた知的財産権の帰属について規定する必要がある
  3. 競合他社との取引や提携について事前承諾を必要とする旨の規定をしておくことも一案
アライアンス・提携・OEMに関する契約のための技術提携契約書の注意点
  1. 技術提携の目的をきちんと定めておかないと、あまり意味のない提携となってしまうことに注意
  2. 技術情報の取扱いについて規定することが重要
  3. 技術提携により完成した成果物について、製造物責任等の請求をされた場合の対応についても規定しておく

技術提携契約書とは

技術提携契約書は、それぞれの会社がもつ技術を相手企業や個人に貸与・公開することにより、相手企業や個人はその技術を使って製品を製造したり、あるいは新しい技術の開発をするための契約のことをいいます。主に特許を含む製品や電気製品などにおいて契約が行われ、ものづくりが盛んな日本では馴染みのある契約です。

技術提携契約書作成のポイントを解説

下記では技術提携契約書を締結するにあたり、記載すべき点を解説します。具体的な内容となっているので、1つ1つチェックしていきましょう。

技術提携契約書を作成する目的

技術提携契約書を締結する目的は、両者または一方が保有する技術を提供することで、その技術を用いた新しい製品を開発するなどして字術を活性化させるとともに、新製品の開発を協力して行うためにあります。双方の技術における貸与関係がメインとなりますが、相手の技術に対して金銭という対価をもとに契約を締結する場合もあります。契約の目的は、双方にとって利益となるように結びます。

技術提携契約における業務範囲

技術提携契約書を作成するに当たり、業務の協力範囲を指定する必要もあります。協力関係に対する範囲を指定しなければ、際限のない契約となってしまうためです。どこからどこまでは協力関係にあるのかを明確に示す必要があります。契約が及んでいない箇所まで相手と協力する必要はないため、範囲選定は非常に重要です。この範囲を明確に決めなければ、技術を盗まれたりする可能性があります。なおこちらの範囲については、抽象的なものではなく、場合によっては事業名などを掲げることもあります。

技術提携契約における設備の利用条件

技術提携契約を結ぶ両者は、設備利用の条件も書く必要があります。新製品の開発などにおいて両者が協力して製作しますが、それは相手の工場や設備を利用することを前提とされています。もし相手の設備が使用できなければ、自社で新たに設備を導入する必要があり非効率です。一方で、企業としての秘密事項は協力関係であっても伝えたくない場合もあるでしょう。そのため、互いにどの設備を使用して業務を行うのか契約書に記載する必要があります。

知的財産権に関する事項

製品を開発した際に知的財産権をどのようにするかは非常に重要です。その技術を用いて他社が開発する場合、費用が発生するためです。まず前提としては、技術提携契約を結んでいる場合であっても、どちらかの企業が独自で開発した技術や製品の権利は、開発者側に帰属するということです。ただ、完全に両者が協力関係のもとで開発したものに関しては、両者に権利があり、特許権などに申請を行う際も共同出願となります。なお、両者で開発した技術を第三者に利用させる場合は、両者の協議の上決定します。

侵害防止義務に関する事項

技術提携契約を結んだ場合、相手の技術に関して利用する権利を得ます。その際に、もし第三者が相手の権利を侵害する行為を発見した場合、速やかに相手に通知し、制裁活動が行われるように報告する義務があります。なお、現在侵害されていなくとも、侵害されることが予見される場合は互いに通知しあい、第三書とのトラブルを防ぐ義務を負います。

競合製品の取り扱いを禁止する事項

技術提携契約によって開発した技術・製品に対し、これに競合するような製品に関する事項を記載する必要もあります。協力関係において開発された商品の類似品をどちらか一方が販売すれば、利益バランスが崩れることとなります。例えば、A社とB社が技術提携契約を結び両社が協力してX製品を作ったとします。そしてA社はX製品の類似品であるY製品を作ります。この場合、A社はX製品の利益の半分とY製品の利益の全部を得られるのに対し、B社はX製品の半分の利益しか得られません。全体としてみるとA社が多くの利益を得ていることになるため、協力関係において開発された商品に関しては禁止となるのです。ただし、相手の承諾があった場合は、販売してもよいこととなっています。

製造物責任に関する事項

共同で開発した商品に問題があり、第三者に不利益を与えた場合は問題を解決するために両社で協力してアフターケアを行う必要があります。問題解決にかかるあらゆる費用に関しての負担割合をここでは定めることとなります。

秘密保持に関する事項

技術提携契約を結んだ両社は、当該契約で知り得た互いの秘密情報などを第三者に漏らさないようにする義務があります。技術提携契約は、両社の根幹となる技術を共有することとなるため、企業間は強い結びつきとなります。なお、技術提携契約の期間が切れた場合でも、一定期間は秘密保持の義務を継続する旨を記載する必要があります。これにより情報獲得のみを目論んだ悪質な企業の排除に繋がります。

有効期限に関する事項

技術提携契約は継続的に結ばれる契約ではあるものの、「契約」であるため一定期間で更新の意思表示を行う必要があります。契約の有効期限は1年と定め、満了までの一定期間で更新の意思表示がない場合は自動的に更新する旨を定めています。なお、何らかの原因で会社の状況が変化した場合、予告期間を一定期間取った上で相手に伝えれば、契約を終了できるとするのが一般的です。

専属的合意管轄に関する事項

両社の関係において、裁判が避けられないような事態に及んだ場合、どこの裁判所で裁判を行うのかを定めたのが専属的合意管轄に関する事項です。一般的には、履行義務がある者の最寄りの裁判所になります。ただし、インターネットが普及している現代において、例えば北海道の企業と福岡県の企業が技術提携契約を結んでいることは大いにあります。こうした際に裁判における移動負担が多いことから、あらかじめどこの裁判所で裁判を行うか定めるのです。

規定外事項

契約内容に書かれていない事項の発生、解釈の相違などが合った場合に、どのような解決方法を取るのかを定めます。さまざまなケースにおける事項を記載しても、例外的なことは必ず起きます。この記載を最後にすることで、トラブルの深刻化を防ぐことに繋がります。

ページ上部へ
CLOSE

Copyright© 契約に強い弁護士の知恵袋 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.