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賃金等の規定

賃金や給与に関する事項は、企業と従業員の間でトラブルが起きやすい問題のひとつです。従業員とのトラブルを未然に防ぐためには、就業規則に賃金規程を明記しなければなりません。作成にあたっては、企業の実態に即した形で作成する必要があるため、企業・事務所単位で必要な項目を盛り込むのが望ましいといえます。とはいえ、法的知識がなければ、独自で作成するのは困難です。ひな型ではなく、専門家である弁護士への相談を検討しましょう。

労務トラブル防止にも役立つ「賃金規程」とは

賃金に関するトラブルは、「企業と従業員で認識にズレがある」「従業員が賃金に関するルールを把握していない」などの理由によって生じることが多くあります。トラブルを防止するためにも、賃金規程を作成し、ルールの明確化および従業員への内容共有を行いましょう。賃金規程の作成にあたっては、盛り込むべき事項や賃金関連の法律などに注意しなければなりません。法律違反や従業員とのトラブルに発展しないよう、記載するべき事項や注意点を把握しておくことが大切です。

賃金規程とは

賃金規程とは、就業規則に記載しなければならない事項の1つです。給与や賃金に関する内容は労働者にとっても関心が高い一方で、法律的な判断が求められる場合も多く、経営者が頭を悩ませる要素ともいえます。

従業員とのトラブルを未然に防ぐには、賃金の支払方法や手当など、賃金に関わるルールを明確化し、企業・労働者間で不透明な点を無くしておくことが重要です。一度規定すると変更が容易ではないため、法的知識を持って賃金規程を作成しましょう。

なお、賃金規程は就業規則の一部であるため、常時10人以上の従業員を使用する事業所では、必ず作成し、所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。とはいえ、従業員が10人未満であっても、トラブル防止や業務効率化などの観点から、就業規則は作成しておくべきといえるでしょう。

賃金規程に必要な事項

賃金規程における事項は、必ず記載が必要な「絶対的記載事項」と、ケースによって記載が求められる「相対的記載事項」の2種類があります。各事項の概要については、以下の通りです。

絶対的記載事項

賃金の決定や計算方法

基本給や通勤手当などの手当、時間外労働割増賃金などの割増賃金を記載する必要があります。賃金の計算方法には、時給制や日給制、月給制などがあります。最低賃金を下回る賃金額を定めることはできないため注意しましょう。

加えて、遅刻・欠勤といったイレギュラーな場合における計算方法や、有給休暇・育児休暇を取得した際の賃金についても明記しておくことが大切です。交通費を含む諸費用や賞与については法律上規定はないものの、賃金規程で支給すると規定すると企業に支払が義務付けられます。支給対象者や上限額についても詳しく定めておきましょう。

賃金の支払い方法

労働基準法第24条では、「賃金は通貨で従業員に“直接”支払わなければならない」と定められています。ただし、以下の要件を全て満たす場合は、金融機関の口座に賃金を振り込むことが可能です。

  • 従業員の同意を得ている
  • 従業員指定の口座(本人名義)に賃金が振り込まれる

また、所得税や住民税など法令で定められているものを以外(社宅費用など)を控除する場合には、従業員の過半数で組織される労働組合、もしくは従業員の過半数を代表する者と労使協定を締結しなければなりません。のちに控除を巡って争うことがないよう、賃金規程内に「どのようなものが賃金から差し引かれるのか」について明記しておきましょう。

支払いの締め日や支払い時期

支払い時期については、「毎月1回以上、一定の支払い日を決めて支払わなければならない」と労働基準法第24条で定められています。

ただし、臨時に支払われる賃金や賞与などについては、この限りではありません。例えば、従業員が出産や災害など非常事態に面している場合、その費用に充てるための金銭を請求された場合には、支払い期日前であっても賃金を支払う必要があると定められています。(労働基準法第25条)

昇給について

昇級の時期や、昇級の基準などを詳しく明記しておく必要があります。

相対的必要記載事項

該当する制度がある場合のみ、記載が必要になる事項を「相対的必要記載事項」といいます。主に、以下のような取り決めが挙げられます。

  • 退職金の支払いについて(退職手当の計算方法や支払時期、支払い方法、対象者)
  • 最低賃金の金額について
  • 出張時の日当・旅費などの規程
  • 一時金や臨時手当
  • 従業員の負担額について(食費や作業着など)

これらの項目については、同じ企業内でも事業所によって条件が異なる場合があるため、事業所単位で定めるケースもあります。賃金の昇級テーブルや賞与の算定基準なども、独自に規定することも可能です。

10名以下の企業でも賃金規程を作成すべき理由

従業員が10人未満の中小企業は、就業規則の作成義務がなく、賃金規程を作る必要がありません。しかし、法律を意識した賃金規程がなければ、労使間それぞれに誤解が生じたり、「同じように働いているはずなのに、あの人だけなぜか給与が高い」「昇給の目途が立たず、モチベーションが下がる」などといった従業員の不満を生み出しかねません。

なかでも給与の計算方法や賞与について明確でない場合には、支給額が不当であるとして紛争に発展する可能性も見られます。

賃金規程で給与の計算方法や支払期日などを明記し、従業員へ周知することで、双方における認識のズレがなくなり、無用なトラブルを回避できます。加えて、裁判に発展したとしても企業側の主張を裏付けられるため、企業利益を保護するといった観点でも重要な規定となります。

さらに、賃金規程で昇級に関するルールを明確にしておくことで、従業員のモチベーションアップも望めます。昇級基準や昇給額、時期などが明らかであれば、そこを目指して真摯に業務へ取り組むようになるためです。

このように賃金規程の作成は経営者にとっても従業員にとっても、大きなメリットがあります。社内の公平性を保ち、従業員が安心して意欲的に仕事に取り組めるよう、従業員数が10人に満たない企業であっても賃金規程を作成しておくことが好ましいでしょう。

賃金規程を作成する際の注意点

就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはいけません。違反した部分については無効となり、労務トラブルの元になることも考えられます。したがって、賃金規程を作成する際は法に触れていないか、労働協定に反していないかを入念に確認しましょう。とはいえ、賃金関連の法律をすべて把握し、そのうえで自社に適した賃金規程を作成することは至難の業であるため、労務問題に強い弁護士への相談を検討しましょう。

また、正社員だけでなく、契約社員やアルバイト、パートタイマーなどのさまざまな契約形態の従業員を雇用する場合には、それぞれの働き方について賃金規程を定めておく必要があります。

みなし残業時間制度を採用している職場については、「給与のうち何時間分の残業がみなし残業時間にあたるのか」明文化しておかなければなりません。正しく明記していない場合は、従業員から未払い残業代を請求されるトラブルに発展しかねないため注意しましょう。

テンプレートを使用するうえでの留意点

賃金規程の作成にあたって厚生労働省が作成しているテンプレートを使用している方も多いと思われますが、テンプレートを変更せずに使用したり、企業が独自で変更を加えることはあまり好ましくありません。

なぜなら、賃金規程は法律的な判断が必要になるほか、改正などに順次対応してならないため、法的知識を持たず作成・改変すると、法的に無効な賃金規程になる恐れがあります。

また、賃金規程は企業の実態に即したものでなければ意味がないため、自社にとって必要な条項を付け加えたり、状況によっては改変を行うなどの対応が必要です。テンプレートを活用する場合であっても、弁護士や社会保険労務士などの専門家に相談をし、アドバイスを受けておくのが安心です。

賃金規程に関する相談は「キャストグローバル」まで

賃金規程の作成は、労務トラブルの防止対策として有効な手段のひとつです。適切な取り決めを行うことによって企業利益や財産ともいえる従業員を守ることができます。ただし、法的に有効かつ企業に有利な賃金規程でなければ本来の効果が生じないため、弁護士や専門家に相談のうえ作成を進めるのが安心です。

当事務所では賃金規程の作成のほか、適切な賃金額の設定、未払い・残業代トラブルなどにも対応しております。賃金に関するお困りごとがございましたら、企業側の労務問題に強い「キャストグローバル」までご相談ください。

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