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未払い賃金・賞与・退職金

賃金や賞与、退職金が未払いの問題になるケースと、従業員から請求された場合の対処法、未払いを発生させないための対策を解説しております。

未払い賃金・賞与・退職金を請求されたときの対策と未払いにしないための対策

労働基準法においては、企業は従業員にたいしてすべての給与を支払うべきとされており、給与を全額支払うことは企業の義務です。また、賞与や退職金といったお金は、労働基準法支払いが義務づけられているものではありませんが、支払うことが就業規則で規定されている、もしくは支払いの慣行がある場合は、支払いが義務とされています。そこで今回は賃金や賞与、退職金が未払いが問題になるケースと、従業員から請求された場合の対処法、未払いを発生させないための対策を解説します。

賃金・賞与・退職金の未払いが問題になる場合とならない場合

賃金や賞与、退職金の未払いは、企業側が意図的に行う場合と、そうでない場合があります。また従業員が未払いだと主張しているものの、本来支払う必要がないというケースもありますので、賃金や賞与、退職金等が違法な未払いとなる場合とそうでない場合を解説します。

未払いが問題になる場合

賃金や賞与、退職金などの未払いが問題になる場合を解説します。

賃金の未払いが問題になる場合

労働基準法において、賃金は全額支払うことと定められていますので、正当な理由なく賃金を支払わないことは、企業側の労働基準法違反となります。賃金とは基本給だけでなく、法定労働時間を超えて労働させた場合に支払う割増賃金も含まれます。深夜出勤させた場合や、休日出勤させた場合も、規定の割増賃金を支払わなければなりません。
また、急に退職を申し出たからといって、賃金を一方的に減額することも賃金の未払いとなります。経営不振などを理由に、一方的に賃金の減額を就業規則等で決定することは、「不利益変更」といって、就業規則の変更は無効となりますので、違法な状態の賃金未払いとなってしまいます。

賞与・退職金の未払いが問題になる場合

賞与や退職金は、給与とは異なり法律で支払いが規定されているものではありません。しかし、支給するのであれば就業規則に規定する必要があり、就業規則に規定してあれば、支払いは義務となります。また、就業規則に規定がなくても、慣行として支払っている場合は、支払わなければなりません。
したがって、就業規則に規定がある、もしくは支払いが慣行化しているにも関わらず正当な理由なく支払わないことは、契約違反となります。

未払いが問題にならない場合

次に、賃金や賞与、退職金などの未払いが問題にならないケースについて解説します。

懲戒処分

懲戒処分によって、正しい判断と手続により減給した場合は賃金を支払う必要はありません。賞与や退職金を支払わないという懲戒処分を言い渡した場合も、支払う義務はありません。

病気や怪我による休業

また、病気や怪我で休職しており有給ではない場合も、賃金の支払い義務はありません。その期間は、賞与の計算期間には算入されませんので、賞与も支払う必要はありません。また、退職金の算定のための勤続年数に算入しないとすることもできます。

賞与や退職金の支払いが就業規則に規定されていない、支払い実績がない場合

賞与や退職金を支払う規定もなく、支払い実績もないという場合は、従業員にそれらのお金を支払う義務はありません。

時効が到来している

賃金や賞与の消滅時効は、2020年4月1日から5年に延長されました(経過措置として当面は3年)。退職金は5年となります。したがって、すでに時効が到来している場合は「時効ですので支払いません」と通知することで、支払い義務はなくなります。これを「時効の援用」といいます。時効は、援用しなければ成立しませんので、時効が到来した賃金等を請求された場合は、無視するのではなく時効の援用を行いましょう。

従業員に賃金等の未払いを主張されたら

従業員が、賃金や賞与、退職金の未払いを主張されたら、無視せずに事情を確認した上で企業側の対応に落ち度がなかったかどうかを確認します。

未払いが正当なものか、違法なものかを確認する

従業員から未払い賃金を請求されたら、その請求が正しいかどうかを判断しなければなりません。賃金の場合は、給与計算が間違っていなかったか、残業代はすべて計上されているか、休日出勤や深夜労働はなかったかを確認しましょう。懲戒処分により、減給としている場合は、減給の日数や金額が法に抵触していないかも確認しなければなりません。1度の問題行動で減給できるのは1回だけであり、減給の上限額は給与の半額までです。

賞与や退職金の未払いを主張されている場合は、それらの支払い義務が企業側にあるかどうかを確認します。就業規則で支払いを規定している場合、慣行で支払っている場合は、正当な理由なく未払いとすることはできません。懲戒処分などで、支給しなかった場合は、その処分の判断が正しかったかどうか、懲戒規定が違法ではないかも判断する必要があります。

違法な未払いであれば、早急に支払う

従業員の主張が正しく、賃金や賞与、退職金を支払わなければならない場合は、速やかに支払いましょう。企業側に支払い義務があるにも関わらず、支払わなければ従業員が労働審判や訴訟と言った法的手続を行う可能性があります。また労働基準監督署などに相談して、違法な状態が確認されたら、臨検監督といって立ち入り検査が行われ、業務に支障を来すおそれもあります。理由なき未払いを放置しておくと、問題が大きくなり企業のイメージを損なうことになりますので、誠実に対処しましょう。

経営不振などで一括で支払えない場合、すぐに支払えない場合は放置することなく、事情を説明してみましょう。従業員は、企業側の事情で支払いを待つ義務はないものの、誠意ある対応をすれば分割払い等に応じてもらえる可能性もあります。

未払いに正当な理由がある場合は話し合いの場をもうける

懲戒処分による、賃金や賞与、退職金を支給していない場合は、懲戒処分のために支払っていないことを説明しなければなりません。従業員が、懲戒処分自体に納得していない場合も同様です。

労働審判や訴訟を提起される前に弁護士に相談を従業員から、賃金等の未払いを主張された場合は速やかに弁護士に相談を検討しましょう。企業側には未払いすべく正当な理由があって未払いとなっている場合も、それが法的には正当なものではない可能性があります。従業員の主張が正しいかどうかを、正しく判断できなければ、違法な賃金等の未払いを続けているとして、労働審判や訴訟を申し立てられるおそれがあります。訴訟は公開の法廷で行われますので、報道されるリスクもあります。
賃金等の未払い問題で経営が窮地に陥らないようにするためには、迅速かつ適切な対応が必要です。自社内で対応しようとすると判断等に時間を要してしまいますので人事労務問題に詳しい企業法務を専門とする弁護士にご相談ください。

賃金、退職金、賞与の未払い問題を発生させないための対策

賃金等を未払いにしないために重要なのは、就業規則等の整備とその運用の徹底です。賃金の未払いは違法ですし、賞与や退職金の未払いも就業規則で規定されていれば支払わなければなりません。
正当な理由なく支払わなければ、労働審判等を申し立てられてしまい社内の貴重なリソースが割かれてしまいますので、未払いにしないための仕組み作りが求められます。
特に未払いを発生させやすい賃金については、超過勤務や深夜労働、休日出勤などに対する割増賃金の未払いに注意が必要です。

まずは、就業規則を整備した上で、人事などの給与支払いに関する部署に支払うべき賃金等を周知徹底しましょう。労働時間の管理や給与計算などが難しい場合は、企業法務を専門とした弁護士や社会保険労務士に相談の上、問題なく支払われるような仕組み作りを依頼するとよいでしょう。

未払い賃金・賞与・退職金のまとめ

賃金や、賞与、退職金の未払いは場合によっては違法、契約違反となります。従業員からの訴えを放置しておくと、訴訟等を起こされてしまい問題の解決が難しくなりますので、請求された時点で状況を確認し、支払うべきものであれば支払いましょう。
賃金等の未払いに正当な理由がある場合はその旨を説明します。

どちらにしても、専門的な判断が求められますので、弁護士や社会保険労務士に相談して正しい対処法を助言してもらいましょう。また今後は未払いを発生させないための対策も重要です。

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