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情報の持ち出し・不正利用

インターネットが普及した現代において、デジタル機器からのデータ流出や不正アクセスなどの情報漏洩は企業の脅威といえます。情報漏洩によって企業が大きな損害を被る事件も多発しており、企業の情報管理・セキュリテイ対策は急務となっています。本記事では、企業が情報漏洩をしてしまった場合の対応や、事前対策について弁護士が解説します。

情報の持ち出し・不正利用の防止策と対処法

従業員による情報流出や不正利用によって、企業が大きな被害を被る事件が多発しています。経済産業省によると、企業の機密情報の漏洩ルートの7.6%が現職の従業員による動機をもった漏洩でした。顧客情報の意図的な流出や売却、ライバル企業への漏洩などは、企業の価値を著しく損なう行為です。これらの問題が発生した場合は迅速に対処するととともに、情報漏洩や不正利用を発生させないための仕組み作りが大切です。ここでは、情報の持ち出しや不正利用の防止策と対処法を解説します。

「不正情報防止法」の「営業秘密」として管理されていることが重要

従業員や元従業員、取引先などが持ち出したり不正利用したりした情報が、「不正情報防止法」の「営業秘密」として管理されていれば、民事上および刑事上の措置を講じることができます。不正情報防止法の営業秘密として管理されていれば、その情報は不正競争防止法の保護を受けることができるのです。まずは「営業秘密」として保護されるために必要な3つの要件を解説します。

機密管理性

企業は、機密情報は秘密として適切に管理して、なおかつ従業員に対して秘密情報として管理する意思があることを示しておく必要があります。適切に管理されているだけでなく秘密情報として取り扱っていることが、従業員に周知されている必要があるのです。

有用性

情報自体が客観的に事業活動に利用されている、もしくは利用することで節約や経営効率の改善に役立つ情報であることが求められます。

非公知性

非公知性とは、公然と知られていない情報のことをいいます。市販の本やWEBサイトなどで容易に入手できる情報は、非公知性があるとはいえません。また、特許を取得して公開されている情報も、非公知性がないといえます。

3要件のうち重要な「秘密管理性」を満たすための方法

不正情報防止法の「営業秘密」とみなされるための3要件のうち、注意しなければならないのが「秘密管理性」です。秘密管理性を満たすための具体的な手順がこちらです。

社内の情報を洗い出す

まずは社内の情報を整理して大切な情報を探し出しましょう。紙ベースや電子ベースのデータ、製品だけでなく、社員が有するノウハウや技術なども重要な情報です。

秘密とする情報を選択する

洗い出した情報の中から、その情報がもたらす経済利益や、漏洩した場合の損失などを想定しながらリストアップします。

秘密情報の管理に関するルールを明確にする

秘密情報の取扱についてのルールを、社内規則等で明確に定めておきます。就業規則に規定しておいてもよいですし、情報管理規程として情報管理用のルールを設定しておいてもよいでしょう。

物理的に情報の持ち出しができないようにする

秘密情報に該当する情報は、物理的に持ち出せないようにしておきます。機密文書であれば、鍵のかかる引き出しや保管庫などに保管するようにします。電子データは、個別にアクセス権を付与する、USBメモリの利用ができないようにしておく、などの対応が必要です。また、秘密情報を取り扱う部署では「関係者以外立ち入り禁止」などの措置を講じておくことも求められます。

心理的に持ち出しができないような環境を構築する

情報の漏洩や持ち出しが起きにくい環境を作りも重要です。例えば、秘密文書には「社外秘」のシールを貼る、スタンプを押すなどの対策です。情報の持ち出しを監視するための、防犯カメラの設置も心理的な圧力となります。

従業員と秘密保持契約を結ぶ

すべての従業員と、秘密保持契約を結んでおきましょう。また、従業員だけでなく他社が工場見学等を行う場合にも秘密保持契約を取り交わしておくことが求められます。従業員だけでなく業務提携する個人事業主等とも秘密保持契約を取り交わしておく必要があります。

情報漏洩や不正利用が発覚した場合の対処法

次に、情報が漏洩した場合の対処法を解説します。

被害拡大のための措置、行政庁への報告

まずは、情報漏洩ルートを把握するとともに、情報の漏洩や不正利用を止めなければなりません。情報ルートが確かであれば、裁判所に差止請求を求めて、情報漏洩行為の停止を命じてもらうことができます。それと同時に、事態が発覚した時点で管轄する省庁に情報漏洩の事実を報告しましょう。

証拠の確保と被害の検証

情報が不正に利用されていること、漏洩していることの証拠を確保しておきましょう。刑事告訴や損害賠償請求を検討する場合は、証拠が重要になります。また、被害の範囲や規模も正確に把握する必要があります。

責任の追及

情報を流出させた当事者に対して、刑事告訴や損害賠償請求なども検討します。情報の流出が故意であり、第三者に売却したなどの場合は、刑事罰に問える可能性があります。また情報漏洩によって生じた損害を請求できる可能性もあります。
営業秘密の漏洩によって信用が失墜した場合は、信用を回復するための措置を求めることも可能です。

また、情報の持ち出しや不正利用が、懲戒規程に抵触している場合は懲戒処分も検討します。ただし、懲戒解雇などの重い処分を下す場合は、不当解雇と反論されないために事前に弁護士に相談の上、正当な手順を踏んで行いましょう。

マスコミ、顧客対応

情報漏洩や不正利用などが、外部に大きな影響を与える場合は、報道機関に対する対応や、プレスリリースの実施、顧客への適切な対応が求められます。情報漏洩を隠蔽しようとしたり、被害を小さく見せようとしたりする行為は、さらなる信用の失墜を招くので危険です。

再発防止策

情報漏洩が発生したら、再発防止策を講じるまでが事後対応です。情報漏洩が発生した原因を突き止めて、再度同じ事件が起きないようにルール面でも物理面でも対策を講じておきましょう。

企業秘密に関する問題は、弁護士に相談を

企業の機密事項の漏洩は、企業の経営活動に甚大な悪影響をもたらします。場合によっては経営の根幹を揺るがしかねない事態となります。したがって、情報漏洩を発生させないための体制構築が非常に重要となります。

しかし、前述したように情報漏洩を発生させないため、発生した場合に適切に対応できるようにするためには、情報漏洩防止策だけでなく規則の整備等が求められます。自社内で漏れなく対応することは難しく、莫大な時間と労力を要しますので、弁護士に対応を依頼しましょう。

企業法務を専門とする弁護士であれば、適切な情報漏洩防止策やルールの制定が可能です。万が一情報漏洩が発生した場合も、弁護士は即座に適切な対策を講じることができます。情報漏洩ルートの把握から、加害者への対応、マスコミ対応や再発防止策の策定などをワンストップで任せることができます。

情報の持ち出し・不正利用のまとめ

従業員による情報の持ち出しや不正利用は、それが不正競争防止法における、秘密情報に該当している場合に、刑事告訴や損害賠償請求などが可能になります。したがって情報漏洩が起きる前に、社内の情報を整理して情報漏洩防止策を講じ、不正競争防止法上の「秘密情報」の要件を満たすようにしておく必要があります。そのためには、情報の適切な管理や秘密法事契約の取り交わし、就業規則や情報管理規程の整備などが重要です。
ソフト面だけでなくハード面での対策も求められますので、情報流出防止策を講じたい場合は、企業法務を専門とすると弁護士にご相談ください。

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