不正行為・問題従業員の対応

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問題従業員の対応

問題従業員への対応方法と注意すべきポイント

モンスターペアレントやモンスターペイシェント、など不当要求や過当な要求を繰り返す人物をモンスター●●と呼ぶことがあります。近年問題になっているのはモンスター従業員です。モンスター従業員を放置しておくと、業務の遂行が滞るだけでなく周りの従業員にも悪影響を与えてしまいます。そこで、問題従業員の対応方法と、注意すべきポイントを解説します。

問題従業員とは?どのような行為をする?

まずは問題従業員とはどのような従業員のことをいうのか、確認しておきましょう。

●遅刻、早退を繰り返す

遅刻や早退が多く何度注意しても直らない従業員は問題従業員といえます。

●日中の業務をサボって無駄に残業をする

残業代を請求するために、正規の労働時間内に手を抜いて、定時を過ぎてからも働き続ける社員も存在します。他の従業員と業務量が変わらないのに残業時間が突出している従業員は要注意です。

●パワハラやセクハラの傾向がある

地位や年齢を問わず、パワハラ言動やセクハラ言動が多い従業員も問題従業員です。

●他の社員とのトラブルが多発している

適切な距離感で人間関係を築くことができず、社員間のトラブルを多発させる従業員も問題です。

●勤務中に寝ている

勤務中に寝てしまう理由は様々ですが、何度注意しても居眠りを辞めない従業員も存在します。

●業務をまともに完遂できない

与えられた業務をこなすことができず、会社や取引先に損失を与える行為も問題です。

これらの問題行動を起こす従業員に対しては、会社側は毅然として対応しなければなりません。とはいえ、すぐに解雇することはできませんので、これからお話しする対策を講じながら、解雇への段階を経ることが大切です

企業ができる問題従業員対策

問題従業員に対して、企業はどのように対応すれば良いのでしょうか。問題従業員への対策を解説します。

残業時間を管理する

問題従業員による問題行動で、企業の経営活動にすぐさま影響を与えるのが漫然勤務による無駄な残業です。従業員が故意に残業をしている場合でも、パソコンのオンオフのログやタイムカード、ICカードなどで業務時間を管理している場合、残業代の請求を拒否することは難しいと考えられます。
したがって、残業代の支払いを拒否するのではなく、残業をしないように業務を管理するようにしましょう。業務日報の提出を求める、毎日のタスクを報告させるなどして、漫然と業務に当たらないように指導します。

問題行動があった場合は都度「証拠が残る形で」指導する

問題従業員を指導する場合は、指導した記録が残るようにしておきます。口頭で指導した場合も日報等に記録する、また文書と口頭の両方で指導するなど、指導したことを確実に残しておきましょう。

パワハラ、セクハラ等を行う社員には都度懲戒処分を

パワハラやセクハラなどの不法行為を繰り返す社員に対しては、通り一辺倒の指導や研修だけでなく、懲戒処分を検討します。あらかじめ就業規則に、パワハラやセクハラなどの行為は懲戒処分に値する行為であることを規定しておけば、懲戒処分が可能となります。突然懲戒解雇などの重い処分を言い渡すのではなく、戒告や減給などの処分を言い渡しましょう。

職種のアンマッチにより能力が活かせてない場合は配置転換を

問題従業員の成績不良やミスの多発は、問題従業員と職種が適合していないことにより発生している可能性もあります。営業社員として十分な成績を発揮できていなくても、経理や総務などの部門では充分に能力を発揮して活躍できる可能性があります。
成績不良やミスを多発する従業員に対しては、指導を繰り返すだけでなく面談等で適正を把握して、適切な部署への配置転換を検討しましょう。

指導や配置転換、懲戒処分などを行っても改善できなければ解雇の検討

会社に損失を与える問題従業員は、一刻も早く解雇したいのが企業の本音でしょう。しかし、従業員を解雇することは労働契約法や労働基準法などで厳しく規制されています。企業が「これは懲戒解雇に該当する」と確信するような問題行動があったとしても、不当解雇として、解雇が無効であると裁判所が判断するケースが非常に多いです。
ですので、問題社員を解雇する場合は、指導や懲戒処分、配置転換など、企業ができる限り指導を繰り返し、働けるように手を尽くしておかなければなりません。「これだけやっても問題行動に改善がみられなかった」という状態にしておく必要があります。

問題従業員に適切に対処するために重要な就業規則の整備と弁護士との連携

問題従業員に関する対策は、先ほど説明した各問題従業員に対する「対症療法」だけでは不十分です。問題従業員を生み出さないための対策、問題従業員に適切に対応するためのルールの作成など、多角的な対策が求められます。ここでは、問題従業員を発生させない対策、問題従業員に対して適切な対応をするための就業規則の整備の重要性や弁護士との連携について解説します。

採用の際に適性を見極める

問題従業員を生み出さないためには、採用の際に適性を見極めることが大切です。会社に適する人物なのか、またどの部署に配属すべきなのかを直感だけでなく数値化して判断することも有効です。最近では、人材派遣会社やエージェントが提供する適性テスト等を気軽に利用できますので、採用の際は全員適性テスト受けさせるなど、感覚に頼らない採用活動も検討しましょう。

問題従業員に対応するための就業規則の整備

問題従業員に対して懲戒処分を行うためには、就業規則の整備が必須です。企業による従業員の懲戒処分は、就業規則等に記載されている場合に限り可能となります。就業規則に記載されていない事項については、懲戒処分を行うことができません。様々な問題従業員に対応するためには、ありとあらゆる状況を考慮して就業規則を作成しておくことが求められます。

弁護士と連携

問題従業員に関する問題は社内だけで対応するのは難しいことが多いです。例えば、懲戒処分を行う場合、懲戒解雇を言い渡す場合は、企業の独断だけでは法的に不当な処分となってしまうおそれもあります。また、就業規則の整備も、労働契約法や労働基準法などの専門知識が必要です。社内に法務部がない企業の場合、法的に有効な就業規則を作成することは非常に困難です。
しかし、弁護士であればこれらの問題をワンストップで依頼できます。問題従業員に対する懲戒処分や懲戒解雇だけでなく場合によっては退職勧奨も依頼可能です。
企業の事情に即した形で、就業規則を整備することもできます。

問題従業員の対応のまとめ

モンスター社員、問題従業員は会社の業績に深刻な影響を与えるリスクをはらんでいます。すぐに解雇することができないからといって、彼らを放置することは厳禁です。適宜指導して記録を残しておく、配置転換する、必要に応じて懲戒処分を行うなどの対策が求められます。また、モンスター従業員に対して適切に対応できるように、就業規則を整備しておくことも重要です。
これらの問題従業員対策は自社内だけで完結させることは難しいので、お困りの場合は企業法務を専門とする弁護士にご相談ください。問題従業員に関するトラブルを的確に把握した上で、適切に対応いたします。また、就業規則の整備などの社内環境の構築も可能ですので問題従業員によるトラブルが発生する前に、対策を依頼しておきましょう。

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