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解雇(懲戒)

解雇時に発生しやすいトラブルと解決方法、未然防止策を解説

日弁連の調査によると平成29年に申し立てられた労働審判は3369件、そのうち不当解雇を訴えたものが1511件でした。解雇に関する問題は労働問題の中でも、大きな割合を占めており、経営者にとっては関心が高い項目です。なぜ解雇の際にトラブルが発生しやすいのでしょうか。トラブルに発展させることなく従業員を解雇できる方法はあるのでしょうか。今回は従業員を解雇する際に知っておくべきことや、解雇時のトラブルを発生させないための対策を解説します。

解雇とは?会社が従業員を解雇できる場合を解説

解雇とは、企業が従業員の雇用契約を一方的に終了することをいいます。解雇の種類は以下の3種類です。

懲戒解雇

懲戒規程に規定してある解雇事由に該当する場合に、行うことができる解雇です。

整理解雇

会社の経営悪化が著しく、人員整理をしなければ存続が難しい場合に可能となるのが整理解雇です。ただ、経営状態が悪いというだけでなく、解雇する前に様々な手立てを尽くしていること、などの条件を満たさなければ整理解雇はできません。

普通解雇

懲戒解雇、整理解雇以外の解雇を普通解雇と言います。従業員の問題行動が著しい場合や、怪我や病気で労務が提供できなかった場合などが該当します。

問題がある従業員を解雇したい場合は、懲戒解雇か普通解雇のいずれかになるということです。しかし、労働基準法や労働契約法において、企業による従業員の一方的な解雇は厳しく制限されています。労働契約法第16条では以下のように規定しています。
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」

解雇が認められるためには、いくつかの条件を満たしていなければなりません。

  • ●解雇に正当な理由がある場合
  • ●就業規則に規定された解雇事由がある場合
  • ●労働基準法の解雇禁止事項に該当しない場合

従業員を解雇する場合には、相当な理由が必要です。「遅刻が多いから」、「成績が不良だから」程度の理由では不当解雇と訴えられる可能性があります。横領などの犯罪行為かつ会社に損害を与える行為であっても、何度も繰り返す、被害額が大きいなどの状況でなければ解雇が認められないことすらあるのです。

「営業社員が、3ヶ月間全く契約を取ってこない」というケースも同様です。「営業が無理なら他の職種に転換することができる」と判断される可能性があります。
従業員の解雇には大きな制約があり、会社側が「解雇が当然」と思っていても、認められないケースが非常に多くなっています。従業員を解雇する場合は、正当な解雇の理由があるかどうかを正しく判断しなければなりません。

不当に解雇してしまった場合の会社のリスク

従業員を不当に解雇してしまった場合、企業には以下のようなリスクがあります。

解雇予告を行わなかった場合の刑事罰

労働基準法では従業員を解雇する場合は、30日以上前に通知なければならないと規定しています。30日に満たない期間で解雇する場合は、解雇予告手当を支払わなければなりません。こちらの規定に違反した場合は、労働基準法違反となり6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられるおそれがあります。

訴訟によるリスク

労働問題の訴訟は、基本的に公開されます。訴訟が行われることが裁判所に掲示されますし、裁判は原則として誰でも傍聴することができます。また、原告(裁判を起こした人)が報道機関に、不当解雇で裁判を起こすことを連絡するなどすれば、報道されるおそれもあります。

慰謝料や給与の支払い

解雇が不当だった場合、企業は解雇日まで遡って給与を支払わなければなりません。また、解雇が悪質だった場合は慰謝料の請求が認められることもあります。すでに人員を補充している場合は、人件費が二重に発生することになり、経営への影響は深刻です。

正当に解雇するための手順

次に、不当解雇だと言われずに解雇するための手順を解説します。

解雇できるかどうかを事前に確認する

まずは、解雇しようとしている理由が解雇事由に該当するのかを確認します。原則として就業規則や雇用契約書などに、規定されている理由以外では解雇できませんので、事前に企業法務の弁護士や社会保険労務士などに、解雇が妥当かどうかを確認しておくことが大切です。就業規則自体が違法である場合もありますので、自己判断せずに専門家の判断を仰ぎましょう。

解雇の30日前に通知する

労働基準法によって、従業員を解雇する場合は30日より前に通知することが規定されています。30日未満で通知する場合は、「解雇予告手当」を支払わなければなりません。解雇通知は口頭で伝えるだけでなく、文書も交付しておきましょう。

解雇ができない場合は、退職勧奨を行う

解雇ができないと判断された場合は、自主的な退職を求める退職勧奨を行います。退職勧奨も方法を間違えると、退職を強要していると捉えられることがあるので、慎重に行わなければなりません。スムーズに認めてもらえない場合は、解決金を支払うことで退職してもらうという手段もあります。また、弁護士に退職勧奨を依頼する企業も増えていますので、難航している場合は弁護士にご相談ください。

解雇トラブルを発生させないための対策

最後に、解雇トラブルを発生させないために企業ができることを解説します。

就業規則の整備

解雇に関するトラブルを発生させないために重要なのは、就業規則や雇用契約書の整備です。就業規則等に解雇事由が明記されていなければ、従業員を解雇することは難しいです。しかし、正しく就業規則等が定められていれば、規定に抵触していれば解雇は可能ですので、あらかじめ就業規則等を整備しておきましょう。ただし、就業規則等を、従業員に不利益が生じる形で変更することを「不利益変更」といい、企業が一方的に変更することは認められていません。就業規則等を変更する場合は、弁護士に作成や変更に関する手続を一任するのが得策です。

指導等を記録すること

問題行動が著しい従業員や、成績不良の従業員は、すぐに解雇することはできないケースが多いです。しかし、何度も指導を重ねた結果、改善される見込みがなければ解雇もやむなしと判断されやすくなります。したがって、日頃から従業員への教育や指導は、日時や内容を記録しておくことも重要です。「これだけ手を尽くしているにもかかわらず改善される余地がないため、解雇した」という企業の主張を裏付ける重要な証拠になり得ます。

解雇(懲戒)のまとめ

日本の法律では、企業の解雇権は厳しく制限されており、限定された状況でなければ従業員を一方的に解雇することはできません。また、解雇できる場合でも30日以前に通知しなければならない、などのルールがあります。

解雇事由に当てはまらないのに解雇を断行してしまうと、従業員から不当解雇で労働審判や訴訟を起こされるリスクがありますので、解雇は慎重に判断しなければなりません。企業側が「あきらかに解雇に相当する」と判断しても、裁判では解雇は不当と判断されるケースも多い傾向です。解雇のトラブルを回避するためには、解雇する前に弁護士に相談すること、できれば弁護士に解雇の交渉を委任することが有効です。また、あらかじめ就業規則や雇用契約書などを整備しておくことで、解雇事由を明確にすることもできます。従業員との解雇トラブルを未然に防止したいと考えている経営者様や、ご担当者様は一度企業法務を専門とする弁護士にご相談ください。

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