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 売買・建築 不動産トラブル相談事例

戸建て住宅を建築したが、瑕疵があるとして建て替えを要求されている

  • 職業:不動産建築会社
  • 地域:滋賀県

目次

相談事例

A(不動産建築会社)は、C(個人)から戸建て住宅の建築を請け負いました。設計図はありましたが、詳細に設計されたものではなく、設計図のみで仕様が確定できるものではありませんでした。そのため、Cと話し合いをして仕様を決めなくてはならないのですが、一度決めたことをすぐに変更するなどして、何度も何度もお話し合いを重ねても仕様がころころ変わり完成までに通常の2倍以上の期間を要した。今だに、Cから、未完成として、様々な要求を受けており対応が困難となっている。

どうしていいかわからないとご依頼がありました。

弊所でご依頼受けた後も、Cから様々な要求があり、最後には建物の基礎に重大な瑕疵があるとして、建て替えを要求してきました。

これに付随してですが、追加の施行費用をいただいていなかったので、それを求めるのかということもありました。また、この件で、CはAの家に押しかけて、怒鳴りこみをしてきたために、これも問題となりました。

解決までの道筋

まずは、Cの要求を伺って、出来る範囲で対応し、上手く大きくせずに、何とか終結させたいと考えていました。しかしながら、Cから頂いている建築費を超える経費がすでに本建物の建築にかけているために、さらに費用をかけての対応するのは相当困難となっていたところに、Cの要求は、あまりに細かく、あまりに多く、期間も費用もかかるものでありました。さらには、建物の基礎に重大な瑕疵があるとして建て替えを要求してきました。建て替えとなると、さすがにはいそうですかと対応することはできませんでしたので、話し合う余地がなくなってしまいました。そのため、こちらとしては対応することはできないという対応をしました。

すると、Cは弁護士に依頼し、弁護士を通じて、再度同様の要求をしてきました。弁護士に変わったことで、新たな証拠等が出てくることもなかったため、上記の同様の事情と建物の基礎に重大な瑕疵はないと考えていました。結果、相手の要求はまったく飲むことはできず、Cの弁護士とも話し合うことが難しかったため、要求を拒否しました。

そこで、Cの弁護士は、建て替えを求めて、訴えを提起してきました。

解決のポイント

訴訟解決がベストの場合もある!

当事務所としては、ご依頼を受けてから、最悪の状況を想定し、徹底的に訴訟で争っても勝てる状況を作る努力をしてきました。最悪を想定してそれに対応しておくことは、ほとんどのご依頼において対応していることではあります。今回もその努力をしつつ、話し合いで解決出来ないかと思って対応していました。徹底的に争い、訴訟となると、弁護士費用が必要であること、数年の月日を要することが最大のデメリットです。弁護士としては、頂く弁護士費用を考えると訴訟したいところですが、依頼者にとってどうかをを考えると、原則として話し合いで解決させることが大切です。そのため、今回もなんとか話し合いで終わらそうと頑張っておりました。しかし、今回の相手の要求はあまりに過大でした。にもかかわらず、相手の要求の根拠があまりに薄かったのです。

最悪の想定、つまり、訴訟を提起された場合にどうなるかを検討しました。建て替えとなると、今ある建物を取り壊して建てることになりますので、それを相手に求めるということになりますから、相当な根拠が必要となります。相手が示す証拠の第一は、一級建築士による鑑定書です。これを訴訟前から、こちらが費用をかけてするべきか検討が必要なのですが、今回は、ここまでしなくても、明らかに根拠が薄いと判断でき、こちらが相当に有利であるといえました。

そこで、相当な要求であること、根拠のないことを、訴訟しても勝てる見込みが大きいことを考慮して、相手の要求をすべて拒否することとしました。相手は、訴えを提起してきました。2年少しかかりましたが、こちらが完全に勝訴して終わりました。

また、本件に付随しての追加施行費用ですが、相手が訴訟してこなければ、もう請求しないで終わらせようとしていましたが、相手は訴訟してきましたので、追加施行の費用請求の反訴を提起しました。また、怒鳴りこみについても、相手が訴訟しないのであれば、請求しないでと考えていましたが、相手は訴訟してきたので、これについても、訴訟を提起しました。こちらが提起した訴訟は、いずれも認められました。

つまり、依頼者にとって、まさに完勝でしたので、とてもとても喜んでいただけました。

もっとも、訴訟をしたために、一定の費用をいただいておりますし、時間もかなり要しています。しかも、こちらがお金を取れる訴訟ではありませんから、お金かけないにこしたことはありません。お金が出ていかなくてよかったですが、より依頼者にとって、よい解決を探求していかないといけないと思いました。

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