弁護士 芦原のコラム

【事件相談】

  • 法務の技法

正式な被害届や刑事告訴などではなく、
苦情被害などが深刻化する前の段階で、
その状況を予め所轄の警察署などに報告し、
対応を相談しておくもの。
特に、警察にとって慎重な判断が必要な私人間のトラブルについて、
急な事態の変化に対応してもらうために重要。

【解説】
最近は、モンスタークレーマーが増え、
反社との関係遮断も叫ばれています。
自分の仕事に関して、
いつ、警察のお世話になるかわかりません。
警察にお願いする際のポイントを1つだけ、勉強しておきましょう。

警察は、特に会社業務に関連する事件の場合には、
直ぐに動けません。
官僚的で怠慢だから、
という理由ではありません。
民事の権利関係が絡むからです。
民事裁判官ですら、証拠を見たり手続を踏んだりして、
判決まで相当の時間がかかります。
「今苦情客が窓口で怒鳴ってるから、すぐに逮捕してくれ」と言われても、
すぐに判断できません。

そこで、そうなる前に、
状況を警察に報告し、対応を相談しておきます。
予め、苦情客の苦情内容がどのようなもので、会社がどう対応しているか、
理解してもらうのです。
そうすると、どのような事態になれば警察が動くか、
お互いに確認できるのです。

※法務の観点から、ビジネスのヒントをお話しします。
「法務の技法」「国際法務の技法」「法務の技法 OJT編」の中から、
毎回、1つのトピックの「超要約版」をご紹介します。
本日は、「法務の技法」 5-11の超要約版です。

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