医療費、獣医療費の未払いが数十件ある。年間、数件ずつ増えていっており、このまま放置していくと未払いが貯まる一方。どこかで解消するよう努めるとともに、未払いが出ないようにしていくことも大切だと思う。どうにかならないか、とご相談がありました。
健康保険の適用がある場合は、やったことに対する正確な点数計算が必要ですから、事前に費用を頂いておくことが難しいです。一方で、獣医科クリニック、美容クリニックの場合は、自由診療であり、健康保険の適用がありません。したがいまして、費用の設定は自分たちで相当な範囲内において決めることが出来ますから、事前に費用をもらうことも十分可能です。
美容クリニックの場合は、事前に何をするかを確定させることが出来るため、ほぼすべての美容クリニックが、費用を先に回収しているので、費用の未回収問題はほとんど生じません。
しかし、獣医科クリニックは、事前に何をするか確定することは難しいため、ほとんどの獣医科クリニックが費用を後で払ってもらうこととなっており、費用の未回収の問題が生じます。
解決までの道筋
未払いの医療費の金額をみると、数千円から50万円程度と幅があり、数千円の人のためだけに、回収の費用を払うというのは、費用倒れになってしまいます。獣医科クリニックを運営する母体全体を通じて、回収するメリットを生み出し、今後未回収を出さないようにすることで、無駄なコストを削減することを提案させて頂きました。
また、医療費未払い以外の問題もありましたので、院長は問題であるという認識はなかったようですが、、、それらの問題も含めて、解決へのご提案もありました。
解決のポイント
未払い抑止が大切!
生活できないくらい経済的に困窮しているために、医療費が払えないという方もおられるかもしれませんが、そういう方はそもそもあまり未払いがないというか、いずれにしても、少ないというのが現状です。
そういえば、子どもの給食費を払わないモンスターペイシェントが比較的お金を持っているみたいなことが話題に上ったこともありましたが、、、
未払い抑止をする流れを作っておくことで心理的に未払いができないようになります。初めから払わないつもりで来られる方、少ないとは思いますが、そういう方は他のところにいってくれるでしょうし、後で払わないでいいかと思うような方も、払わないでいいかと思わせないようになります。受付から支払いまでのマニュアルを見直してみましょう。
未払い発生後の対応も大切!
人ってなかなか都合の良い考え方に傾くもので、未払いを長期間放置すると、払わないといけないが払っていないものという認識が、払わなくてよいものという認識に変わってしまいます。これは、おかしい!と思われるかもしれませんが、喉元過ぎれば熱さを忘れるに近いものがあるようです。
ですから、一度払わないで良いものと思ってしまうと、払わなくて良いものなのに払わなければいけなくなったという認識となります。こうなると払うことへの心理的障害が大きくなってしまいます。当たり前かもしれませんが、問題が起きないようにすることが大切ですが、問題が起きたとしても、早急に対応することがとても大切です。未払いが生じた後の対応マニュアルを見直してみましょう。