医療事故・医療過誤
医療事故・医療過誤への対応
Accident
医療過誤を疑われた場合の対応
クリニック(病院、歯科、美容)運営されていると、患者から「医療事故」や「医療過誤」と言われることがあります。医療事故は、医療の現場に起こる事故全般をいいますので、偶発的な事故も含みます。一方で、医療過誤は、文字通り、過誤=あやまちですから、故意過失がこちらにあって、それにより患者に被害が生じているということになります。
医療過誤といわれているとご相談頂く大半が、医療過誤ではありません。起こりうるリスクが、運悪く起こってしまったということがほとんどであり、医療行為に故意過失はありませんから、医療過誤ではありません。しかしながら、医療過誤であると疑いを持たれてしまう、そのもっとも大きな原因は、患者への説明不足、患者の理解不足です。インフォームド・コンセントという言葉も有名ですが、十分に知らされた上での同意をしっかりと取る必要があります。昨今では、ほとんど同意書を取ってはいますが、不十分です。なぜなら、しっかり理解して署名捺印している患者はかなり少ないとおもわれます。それでも、あまり問題とならないのは、大半の治療が成功していること、副作用のリスクもあるが確率は小さいことから、そもそも問題となりにくいというに過ぎません。しかし、一度問題となると、その解決・収束には、大きな労力と時間がかかることが多いです。医療の高度化が進む中、疑いをもたれないようにする対応は重要です。また、医療過誤ではないからといって、患者の訴えに対して、真摯に対応しないと、問題はより大きく、解決に時間がかかってしまいます。
相談の中には、医療過誤といえるかもしれないという相談もあります。そうなると、患者やその家族が法的責任を追求してくるため、適切な対応が必要です。
過誤であるかの判断、過失があるかの判断は、とても難しい判断です。まずは、事実確認をしっかりと行い、専門の弁護士と相談をすることをお勧めします。
医療過誤が疑われる場合は早急な対処を
医療過誤は医療関係者行為に故意過失が認められる事故です。医療過誤と認められる場合、病院や医師は被害者に対し、慰謝料などの損害賠償をしなければなりません。また、故意または重大な過失による事故である場合には、業務上過失致死傷罪などの刑事事件になってしまう可能性もあります。さらに、有罪となってしまうと、医道審議会を経て、戒告、3年以内の医業停止や医師免許の取り消しなどの行政処分を受ける可能性が高いです。なお、有罪ではなくても、刑事事件にならなくとも、行政処分を受蹴る可能性はあります。
医療過誤が疑われる場合には、早急かつ適正な対応が求められます。その後の対応を誤ったため、問題がますます大きくなったり、ますます解決できなくなったり、マスコミに取り上げられてしまったりということになりかねません。
クリニック運営になるべく支障をきたさぬように、不利益を最小限にとどめ、迅速かつ平和的な解決を進めるため、専門の弁護士による法的なサポートが適切です。