「美しい水車小屋の乙女」では、
水車小屋が美しいのか、
乙女が美しいのかわからない。
文学的な余韻は、
曖昧で脆弱な箇所を作ってしまうので、
法律文書では、
係り受けの関係を明確でわかりやすくして、
安定感を増した方が良い。
【解説】
著者が弁護士なので、
法律文書について述べていますが、
ビジネス文書でも同じです。
何かに「係る」言葉なのに、
何に係っているのか、
わかりにくい言葉を捜してみるのです。
1つ目のパターンは、
文章の流れが途中で変わってしまった場合です。
主語と述語の関係が係り受けの最たる例ですが、
主語が途中で変わること、ありますよね?
「私は・・・」で書き始めたが、
「プランAが最良である。」で終わってしまうような場合です。
気持ちはわかりますが、
何となくムズムズしますね?
文法的に正しく整えるきっかけが見つかりました。
2つ目のパターンは、
修飾語が多すぎる場合です。
1文に5W1H全て盛り込もうとしてしまうような場合です。
「12月24日開催の・・・」で書き始めたけれども、
これが何に係るのかわからなくなります。
「受ける」側の言葉が遠くなりすぎると、
その途中の別の言葉に係っているように見えてくるのです。
この場合、文章を分ける、
などの工夫の余地が見えてきました。
※法務の観点から、ビジネスのヒントをお話しします。
「法務の技法」「国際法務の技法」「法務の技法 OJT編」の中から、
毎回、1つのトピックの「超要約版」をご紹介します。
本日は、「法務の技法」 4-8の超要約版です。