広告を規制する法律についてのご相談

特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律で、具体的には訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、規制しています。
広告規制としては、事業者が広告を行う場合に、「著しく事実に相違する表示」や「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」を禁止しています。
電話やインターネット等の通信販売に関する広告に適用されます。

景表法は、不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とした法律で、広告の表示を規制しています。
具体的には、優良誤認（社会一般に許容される誇張の程度を超えて、商品・サービスの内容が、実際のものよりも著しく優良であると示す表示）、有利誤認（事業者が、商品・サービスの価格その他の取引条件について、(1)実際のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの、(2)競争事業者に係るものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの）を禁止しています。
新聞・雑誌、テレビ、インターネットによる広告だけでなく商品の包装、チラシ、ポスター、実演販売など、あらゆる広告に適用されます。

薬機法は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の品質、有効性、安全性を確保することなどにより、保健衛生の向上を図ることを目的とした法律で、これらの医薬品等に対する広告について規制しています。
具体的には、医薬品等の効能・効果、性能等に関する虚偽・誇大な広告等の禁止、医師等が保証したと誤解を与えるおそれのある広告等の禁止、承認（又は認証）前の医薬品又は医療機器についての効能・効果、性能等に関する広告の禁止、などがあります。
これらの広告については、消費者への健康を害する可能性があるため、厚生労働省、地方自治体が広告監視を実施しており、違反を行った事業者に対し、指導、取り締まりが行われています。

健康増進法は、国民への栄養改善や健康の維持・増進をはかることを目的とした法律で、食品に関する広告を行う場合、健康の保持増進の効果等について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示を禁止しています。
具体的には、疲労回復等の健康の保持促進の効果以外にも、含有する食品または成分の量、特定の食品または成分を含有する旨、カロリー量、体の美化や皮膚、毛髪を保つことに資する効果について、虚偽・誇大広告を禁止しています。
特に、これらの内容が重要なアピールポイントとなる健康食品の広告で問題となり得ます。

不正競争防止法は、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とした法律で、他社の商品やサービスを不正に利用したりする広告を禁止しております。
具体的には、周知表示混同惹起行為（他社の商品・サービスの表示として広く認識されているものと同一又は類似の表示を使用し、その他社の商品・サービスと混同を生じさせる行為）、著名表示冒用行為（他社の商品・サービスの表示として
著名なものを、自己の商品・サービスの表示として使用する行為）による公告を禁止しています。
違反をした場合には、刑事罰のほか、上記他社より損害賠償請求や差し止め等の民事上の措置を執られることもありえます。