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利用規約

  • 契約書の内容によってはその他必要書類があります。

サービスに応じて適正な利用規約の整備を行う上でのポイントを弁護士が解説

企業がWebサービスやECサイト、アプリケーションなどを提供する際は、サービス利用にあたり、ユーザーから同意を得るための「利用規約」の作成が必要です。さまざまな企業でインターネットサービスが広がりをみせるなか、サービスの利用上のルールを規定した利用規約を作成することは欠かせません。予期せぬ紛争を防ぎ、何らかの障害やトラブルが発生した際に自社を守るためにも、慎重に利用規約を作成しましょう。

サービスの内容や料金、免責事項などの事項をあらかじめ利用規約にて定めておくことにより、ユーザーからの問い合わせやクレームにもスムーズに対処できるようになります。本ページでは、利用規約を作成する目的や、作成しておくべき事項、作成にあたっての注意点などを弁護士がわかりやすくまとめています。

利用規約を整備する目的

利用規約とは、Webサービスなどを利用するにあたって遵守すべき注意点やルールをまとめた文章のことを指します。利用規約の内容はサービスを提供する企業が決定するものとなり、ユーザーがこれに同意してサービスを利用することで、企業とユーザー間の契約に同意したと認められる仕組みです。

では、利用規約の作成にはどのような目的があるのでしょうか?作成の主な目的には、以下の3つが挙げられます。

  1. 不特定多数の顧客を公平に取り扱うため
  2. 個別に契約書を交わす手間を省くため
  3. 自社の責任リスクを下げるため

1つ目に関してですが、企業が不特定多数のユーザーを抱える場合、サービスの内容が一律であることが重要です。すべてのユーザーに対して一律・公平なルールを設ける必要があるため、利用規約として契約内容をまとめておく目的があります。

2つ目には、個々のユーザーと逐一契約を結ぶ手間を省略する目的があります。Webサービスなどの不特定多数のユーザーを相手にする事業においては、その都度個別に利用規約について交渉したり、同意を得たりすることは現実的ではありません。利用規約を作成しておくことで、個別対応をせず一斉に同意を得ることができます。

3つ目には、障害やトラブルなどが発生した際に、自社の責任リスクを低減させる目的があります。企業側が一方的に有利な規定を設けることはできませんが、想定されるトラブルを考慮して利用規約の内容を調整することで、損害賠償責任などの企業リスクを低減させることができます。 

近年では、インターネットと社会をつなぐようなアプリやサービスも多方向に展開してきています。ユーザーにとっては利便性が高いものといえますが、一歩間違えると企業の責任が問われる危険も潜んでいます。リスクを少しでも軽減するためには、利用規約を適切に整備し、自社に不利益なトラブルを防止することが求められます。

利用規約で定められる内容~サービス停止、紛争解決、裁判管轄、準拠法、免責事項など~

利用規約は、自社のサービス内容や実態に応じて適切な規定を盛り込む必要があります。
典型的な規定内容には以下があります。

利用規約への同意

ユーザーに利用規約の法的拘束力を理解してもらうために、自社のサービスを利用するにあたり、利用規約への同意が前提条件となることを明記します。

自社サービスの内容・範囲

自社サービスの内容や範囲、利用料金などをわかりやすく記載する必要があります。ユーザーがサービスの範囲について認識できるよう、自社サービスの内容だけでなく、対象外となる部分についても明確化しておくと安心です。

規定しておくべき内容には以下が挙げられます。

  • サービスの内容
  • サービスの範囲
  • 利用料金
  • 料金形態

有料サービスについては、「どのサービス内容に対して、いくらの料金が発生するのか」わかりやすく明記しておく必要があります。料金の算出方法や決済方法なども併せて記載しましょう。サービス内容については、主要な内容だけでなく、付随して提供するサービスについても盛り込んでおくのがポイントです。

利用にあたってのルール

対象サービスの利用するうえで、ユーザーが遵守すべきルールを規定します。企業側が望まないサービスの利用方法や、他のユーザーや第三者に損害が及ばないように、以下のような事項を記載します。

  • サービスの利用手順
  • サービスの商用利用の可否
  • 複製、変形等の可否
  • サービス内のデータや表、絵図の二次利用の可否
  • 出典の表示
  • 利用にあたり当該ルールに合意したものと見なす旨

自社のサービスを商用利用してもよいか、掲載されているコンテンツやデータを二次利用してもよいかといったルールは、企業の経営戦略において重要な項目となります。コンテンツの複製や変形、二次利用を禁止する場合は、その旨を記載します。ルールに反した場合には、サービス停止や契約解除の対応ができることも記載しておきましょう。

自社サービス内のコンテンツの権利帰属

自社サービスに含まれるコンテンツには、著作権等の権利を有している場合があります。自社が著作権等を有しているオリジナルのコンテンツについては、その権利が自社に帰属する旨を記載しましょう。対して、ユーザーから提供・投稿されたコンテンツ等の帰属については、自社がそこまで利用できるのか、二次利用や改変が可能なのか、明確化しておかなければなりません。

あくまで例えですが、ユーザーからの写真投稿があるWebサイトについて、その写真の著作権等を「すべて自社に移転する」と記載することも可能です。しかし、ユーザーにとっては自分の写真が企業(サービス提供者)に自由に使われることを好まないケースも多くあります。

「著作権はすべて自社にある」「投稿についての責任をユーザーに負わせる」等の一方的に有利な規定は、ユーザーからのクレームや炎上が生じかねません。権利帰属については、サービス運営に合理的な範囲で設定し、ユーザーのプライバシーや心情にも配慮することが望ましいでしょう。

ユーザーのIDやパスワード等の管理

企業側が発行したID・パスワードは、ユーザーの責任で管理するよう規定を設けることも少なくありません。企業にとっては、自社サービスの利用に必要なID・パスワードをユーザーの不注意で流出したり、管理不十分によって不正利用したりすることは、大きな損失につながる可能性があります。

そのため、利用規約には以下の内容を規定することが多くあります。

  • ユーザーの責任においてIDやパスワードを管理すること
  • IDやパスワードを第三者に開示しないこと
  • ID・パスワードを紛失・漏洩した場合は企業に通知する義務があること
  • ID・パスワードが漏洩して不正利用された場合に、企業側が責任を負わないこと

第三者に利用させないこと、IDやパスワードが紛失した際には事業者に届け出ることなどを義務付けます。また、これらの違反した場合の対処方法(サービス解除・損害賠償請求等)なども定めておきましょう。

自社サービスにおける禁止事項

不特定多数の顧客が利用するサービスは、一部の顧客が円滑な運営を阻害するような行動を起こしかねません。そういったリスクを少しでも排除するために、「ユーザーがしてはならないこと」を禁止事項として定めておく必要があります。

サービス内容や企業のポリシーによって禁止事項は異なりますが、主に以下の内容があります。

  • 著作権等の権利侵害の防止
  • 法令違反の禁止
  • 公序良俗違反の禁止
  • サービス運営の妨害につながる行為の禁止
  • ユーザーや第三者の権利を侵害する行為の禁止

基本的な法律違反はもちろん、企業とユーザー、第三者に迷惑をかけないための禁止事項を設けることが一般的です。禁止事項を定めるときは、「どのような行為が該当するのか」といった具体的な事項まで列挙しておくべきといえます。紛争に発展した場合に、禁止事項の有効性が認められるよう、想定しうる行為を加えておくのが望ましいでしょう。

利用規約違反に対する損害賠償・ペナルティ

利用規約に違反した場合、禁止事項を守らなかった場合などに、ユーザーにどのようなペナルティがあるのか明記しておく必要があります。ペナルティには、損害賠償請求をはじめ、アカウントの停止・解除、コンテンツの削除などが考えられます。ペナルティの設定にあたっては、どのようなケースの場合に損害賠償責任を負うのか、具体的に対象範囲や賠償額の上限などを決めておくことが重要です。

サービスの停止や終了に関する事項

企業側の都合や何らかのアクシデントによって、やむを得ずサービスを停止・終了しなければならないケースが存在します。ユーザーとしては、一度事業者と契約を結んでサービスを利用しているため、無断でサービスを停止・終了としてしまうと、債務不履行として損害賠償責任を請求される可能性があります。

こうしたリスクに備えて、企業は自社の判断によってサービスを停止・終了することがある旨を定めておくことが一般的です。ただし、根拠や予告なく一方的にサービスが終了できるとなれば、ユーザーからの反感を買ってしまうおそれもあります。

サービス停止や終了について定める際は、「事前に予告すること」「停止・終了までに一定期間を設けること」「やむを得ない事情がある場合、緊急の場合は除く」と定めておくのが望ましいといえます。

免責事項

企業としては、サービスの利用に関連して予期せぬトラブルが発生した場合、その責任を避けたい・軽減したいと考えるのが通常です。そのため、利用規約には、企業側がサービス利用において責任を負わない旨を定める「免責事項」を盛り込むことが一般的です。

免責規定には、以下のような事項を規定します。

  • 企業(サービス事業者)が責任を負わない範囲
  • 例外的に責任を負う場合の、損害賠償の上限
  • ユーザー間やユーザーと第三者間で生じた紛争について、責任を負わない旨

顧客の権利を制限しすぎたり、顧客の義務を加重したりといった、企業側に一方的に有利な条項は、不当条項として免責事項に認められないケースもあります。また、企業側に故意や重過失が存在する場合や、消費者契約法上が適用される場合には、免責規定が無効になることもあるため、弁護士相談のもと慎重に決定しましょう。

利用規約の変更

利用規約は一度作成して終わりではなく、サービスの実態や問題に応じてアップデートが求められます。しかし、一度同意を得たユーザーに対して、個別に変更内容について同意を得ることは現実的ではありません。

利用規約の変更に有効性を持たせるために、以下の内容を規定することが多くあります。

  • 企業(サービス事業者)が利用規約を変更できる旨
  • 利用規約を変更した場合の告知方法
  • 利用規約を変更するまでの予告期間
  • 変更後に継続してサービスを利用すると、変更内容に同意したと見なす旨

利用規約の変更を告知する際は、いつどのような変更を行うのか、ユーザーに分かりやすく説明する必要があります。変更後も意義なくユーザーが利用継続する場合には、変更後の利用契約に同意したことと見なす旨を規定することも可能です。

準拠法・裁判管轄

ユーザーとのトラブルが発生した場合に、どこの国の法律を適用するのか「準拠法」について規定が必要です。国内企業が日本のユーザーに向けて提供しているサービスであれば、日本法を適用とするケースが通常です。

また、ユーザーとトラブルが起きた際に、裁判に発展することも考えられます。サービスに関する紛争をどの裁判所で行うのか、合意管轄裁判所を定める必要があります。企業の本社所在地を管轄する裁判所を、第一審の専属的な合意管轄裁判所としておくのが一般的です。

利用規約の正しい作成方法と取り扱い、おさえておくべき注意点

利用規約は、自社のサービスの種類や構造、想定されるリスクなどの事情を考慮して作成することが望ましいといえます。作成にあたって注意すべき点や、利用規約の取り扱いについて解説します。

利用規約に適用される「定型約款」に注意

2020年4月1日の民法改正に伴い、「定款約款」についての規定が新設されました。定款約款とは、以下の要件を満たすものをいいます。

  • ある特定の者が、不特定多数の者を相手方として行う取引であること(不特定性)
  • 取引内容の全部または一部が画一的であることが双方に合理的であること(定型性)
  • 契約内容とすることを目的に特定の者が準備した条項の総体であること(一方性)

例えば、保険会社が定める保険約款や、宿泊施設が定める宿泊約款などがあります。インターネットサービス等の掲載される利用規約については、一般的にこの「定型約款」に該当するものと考えられています。

そのため、利用規約を作成する際は、「①不特定多数要件」「②画一性要件」「③目的要件」という3つの要件を満たした内容にする必要があります。

改正民法に対応するためには、以下のポイントを抑えて利用規約を作成しましょう。

  • 利用規約を契約内容とする旨を記載すること
  • ユーザーの利益を一方的に害する条項でないこと
  • 利用規約の変更時期を定め、適正な方法により周知すること

利用規約を契約内容とすることを、文言に入れて置く必要があります。
公表する際は、ページリンクやボタンなどを目立たない場所に配置するのは望ましくありません。ユーザーが画面上で認識できる状態にあり、読んだと思われる動作を把握できるよう「確認しました」などのチェックボックスを設ける措置も必要でしょう。

また、「自社の損害賠償責任をすべて免除する」「ユーザーからの解約はできない」など、ユーザー側に不利益となる条項は無効となります。これらの不当条項がある場合、利用規約を見直さなければなりません。

利用規約の有効性を高めるためにも、変更については一定の周知期間を置くことが重要です。変更に際して問題があるユーザーについては、そのユーザーに不利益なく契約を解消できるといった配慮も求められるでしょう。

法律の取り扱いは専門知識が必要

Webサイトやインターネットサービス等の利用規約を作成するにあたり、さまざまな法律をクリアすることが前提となります。把握しておくべき法律には以下が挙げられます。

  1. 著作権法
  2. 資金決済法
  3. 特定商取引法
  4. 個人情報保護法
  5. 消費者契約法

それぞれ、利用規約の記載について注意しておくことがあります。

1.著作権法

ユーザーから画像や動画などを投稿してもらう「ユーザー投稿型サービス」の場合、その画像や動画の著作権をどのように扱うか、利用規約に明記しておかなければなりません。企業側が無断で使用することは法律違反となるため注意が必要です。「すべての著作権は企業側に移転する」といった、ユーザーに一方的に不利益な内容はトラブルに発展するケースがあるため、控えるのが望ましいといえます。

2.資金決済法

Webサイト上でユーザーに金銭を前払いさせて、ポイントや仮装通貨を購入させるサービスの場合には、資金決済法の規制に注意しなければなりません。近年では、前払式支払手段を導入しているインターネット・アプリサービスが幅広く登場しています。法律に接触しないためには、賃金決済法に基づいて適切な表示を行うことが重要です。

3.特定商取引法

ECサイトなど、消費者向けの通信販売サービス等においては、消費者保護の観点から企業(サービス事業者)に一定の規制を課す「特定商取引法」が定められています。この法律では、目に見えにくいネット通信取引において、企業による不公平な勧誘行為を取り締まり、取引の公平性を確保することが目的とされています。ユーザーの同意なく広告などのメルマガ等を配信することは原則禁止されているため、メルマガ等を配信する際は、あらかじめ利用規約に記載して、ユーザーの同意を得なければなりません。

4.個人情報保護法

個人情報保護法とは、個人情報の取り扱いについて企業(サービス事業者)に規制を設ける法律です。自社サービスを通じて取得した氏名や電話番号等の個人情報は、当該法律によって保護されています。そのため、収集する情報や利用目的、管理方法などについて、利用規約に詳しく明記しておく必要があります。とくに、取得した個人情報を他社やグループ企業に提供する場合、情報を他社と共同利用する場合には、個人情報の取り扱いや管理体制に注意が必要です。

5.消費者契約法

消費者契約法とは、消費者の利益を守るために定められた法律です。不当な勧誘による契約の取り消しや、一方的に不利益となる条項を無効にするなどが定められているため、企業側に過度に有利な契約には注意しなけばなりません。利用規約には、取り消しできる契約の範囲や、不当な勧誘をしない旨などを記載しておく必要があります。いずれも、自社のサービス内容と法律面を考慮したうえで、必要な事項を漏れなく記載することが重要です。

炎上を防ぐためのユーザーへの配慮も不可欠

利用規約で注意しておきたいものに「炎上トラブル」があります。炎上とは、インターネット上で事業者に対する非難が殺到することをいいます。インターネットやSNSが当たり前となった時代においては、企業のユーザーへの対応が指摘されるケースがよくあります。

「ユーザーに不利益な取り扱いをした」「ユーザーの権利に配慮せず、企業が一方的に有利な条件を設定している」など、ユーザーへの配慮に欠けたトラブルが明るみに出ると、インターネット上でたちまち炎上し、社会的信用の損失や企業イメージの低下につながり、サービス停止・廃止に追い込まれることもあります。

こうした炎上トラブルを避けるためには、ユーザーの利益にも配慮した利用規約を作ることが大切です。企業側の利益や権利確保だけに重点を置いている場合は、利用規約の見直しが必要です。そのうえで、自社の利益を確保し、責任リスクを低減できる文言に工夫するよう心がけましょう。

「現在の利用規約が適切かどうか判断できない」「ユーザーによるクレームが多い」という企業は、弁護士に相談してみるのも手段のひとつです。企業法務に詳しい専門家であれば、各種法律を遵守しながら、企業リスクの低減や問題解決のための適切な利用規約を作成することができます。

サービス内容に応じた利用規約のひな型

利用規約は、ユーザーが安心してサービスを利用してもらうためだけでなく、トラブル時に企業の責任リスクを低減させるためにも重要な役割を果たします。条項に漏れがあり、自社の意図や実態に沿わない規定がなされていれば、運営上のトラブルが発生したり、ユーザーからのクレームや炎上したりと、多大な不利益を被る可能性があります。自社のサービス内容や想定リスクを考慮したうえで、作成することが重要といえるでしょう。

利用契約の作成にあたっては、インターネット上にさまざまなひな型が登場しており、自社で作成せずとも「ひな型を使えば事足りる」と考える方もいるかもしれません。しかし、利用規約には著作権をはじめとするさまざまな法律を考慮して、条項を盛り込む必要があるため、法律に関する専門的な知識が不可欠です。

また、利用規約は企業のビジネス設計にも関連する重要な要素のため、自社の経営戦略やサービス内容、想定リスク、課題などといった要素を洗い出して、文章化するプロセスが必要です。掲載内容をよく精査せず、ひな型をそのまま流用してしまうと、利用規約自体の有効性が損なわれる可能性も考えられます。法律上有効かつ実情に沿った利用規約を作成するためにも、ひな型を参考に、必要な条項を追加・見直ししていくことが重要といえるでしょう。

弁護士法人キャストグローバルは、企業のサービス内容や利用者の性質などを考慮したうえで、責任リスクを低減できる有効的な利用規約の作成をサポートいたします。2020年の民法改正に伴い、利用規約に求められる内容がさらに厳しくなったため、専門家である弁護士に契約書作成・リーガルチェック等のアドバイスを受けることをおすすめします。

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