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企業法務に関するコラム

クレームにはどこまで応じるべきか?

  • クレーム

企業がクレーム対応をするとき、「どこまでの要求に応じるべきか」が重大な問題となります。 相手が過大な請求をしてきているのに応じてしまったらクレーマーをどんどん増長させてしまいます。かといって相手の正当な要求に応じなければ企業の責任が大きくなってしまいます。

以下ではクレーマーによるクレームに企業がどこまで応じるべきか、ご説明します。

1.応じるべき要求と応じるべきではない要求の見分け方

クレームが来たときには、応じるべき要求と応じるべきではない要求があります。 企業に法的な義務がある要求には応じなければなりませんが、義務のない要求に従うべきではありません。 クレーマーは、企業に義務のない事項であっても無理に要求してくるケースが多いですが、そういった要求に応じてしまったら、どんどん要求がエスカレートしてしまうので、注意が必要です。クレーマーから何らかの要求を受けたとき、まずは、相手の要求に「法的な理由」があるかどうかを検討する必要があります。

  • 正当なクレームか不当な要求かを見分けるには、以下のような点から判断しましょう。
  • 企業側に「落ち度」や「ミス」があるか
  • 企業のミスによって相手に「損害」が発生しているか
  • 相手の要求内容が適正か、金額が妥当か
  • 相手の要求の方法が適正であり相当か

2.応じるべきではない要求の例

以下では、企業が応じるべきではない要求の典型的な例を挙げます。

今日中に~しろ

基本的に、よほどの緊急性がない限り、その日のうちに対応する必要はありません。

家まで来い

たとえば商品の修理などを行うとき「そっちから訪ねてこい」と言われるケースがありますが、訪問すべき義務はありません。クレーム対応は、できるだけ企業側の支配領域内で進めるべきです。 

そっちが来ないなら、いますぐ会社に怒鳴り込むぞ

たとえ会社に来られたとしても、相手の家に行かなければならない義務はありません。 また、相手が会社にやってきて退去しなければ「不退去罪」になる可能性もあるので、警察を呼べば足ります。恐れる必要はありません。

今すぐ結論を出せ

企業に決断を迫るとき、その場で結論を出せと言ってくるクレーマーがいますが、そういった義務も無いので応じる必要はありません。

最高級のものに交換しろ

商品に不具合があって交換をするときなどには 同じものでは納得せず最高級の物に交換するよう言ってくる人がいますが、そのような要求に応じる必要もありません。脅迫されたら脅迫罪や恐喝罪が成立する可能性もあります。

しつこく電話がかかってきて、そのたび2~3時間かかり、電話を切らせてもらえない

このようなケースでは、相手が切るまで対応する必要はありません。 「〇〇分だけお話をお伺いいたします」と言ったり、一定程度時間が経過したら「次の予定があるので失礼いたします」と言ったりして、電話を切りましょう。 相手の話の途中でも、こちらから切ってかまいません。

頻繁に会社に押しかけてくる

このような場合、相手に退去を求めましょう。それでも帰らない場合には「不退去罪として警察に通報します」と告げるべきです。それでも帰らないのであれば、本当に通報すると良いでしょう。

賠償に応じないと、マスコミにリークする、もしくはネット上に書き込む

このような要求も脅迫罪、恐喝罪となる行為ですから、応じるべきではありません。しつこい場合には警察に被害届を出しましょう。

3.応じるべきである可能性のある要求の例

以下のような場合、検討せずに悪質なクレームとして対応しない場合があります。しかし、企業が対応すべき義務があるにもかかわらず、なおざりにしてしまいがちなので注意が必要です。

過去に悪質なクレームを出してきた人が、再度クレームを出してきた

このような場合、必ずしも今回も悪質クレームとは限りません。今回の主張内容をきちんと検討して、理由があるなら対応が必要です。

暴力団風の人からクレームが来た

見かけや雰囲気が暴力団風だからといって、クレーム内容が不当とは限りません。 きちんと内容を検討し、理由のあるクレームであれば対応が必要です。

4.クレーム対応でやってはいけないこと

企業に応じるべき義務があってもなくても、クレーム対応で守るべきルールがあります。それは、礼節を重んじることです。特に相手が悪質なクレーマーの場合、ついついこちらも厳しい態度をとってしまうことがありますが、礼を失した態度をとったり相手を侮辱したり挑発したりしては逆効果です。 必ず言葉使いは丁寧に、マナーを守って対応しましょう。

以上で挙げた対応は一例ですが、企業にクレームが来たときにどこまで応じるべきかについては、個別のケースに応じて検討する必要があります。適切な対応方法に迷われたら、クレーム対応の専門家である弁護士のサポートを受けることが有効です。

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